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(JS side)
『その人が言うの。「ドギョミと付き合ってるんだね。おめでとう」って。それで、そのあと…、わたしが楽屋を出た後に………』
また遠くを見つめながら、すっかり冷め切ったココアを流し込んで。少し長く息を吐く。節目がちな目にはまつ毛の影が落ちる。
『わたしが、何で付き合ってるのか分からない、って。わたしとドギョミは不釣り合い、だってそう言ってた。わたしって、今まで直接言われたことがなかったから、どこか他人事に思ってたのかな。だから、余計に悲しくて、そうなのかな、とか、不釣り合いなのかも、とか。で、考えてたら寝れなくなっちゃって』
キーはフッと笑って『クプスオッパとマネージャーオッパとの約束も破っちゃったしね』と言う。
『ごめんね、オッパ。オッパにこんなことする話じゃないよね。…忘れてくれる？』
残ったココアを一気に流し込めば、キーは『ごめんね。寒かったよね。中に戻ろうか』といつもの笑顔を見せた。
JS「Aヤ」
『ん？』
JS「気にする必要無い。だって、キーのことを誰よりも大好きなのはドギョミでしょう？」
僕がそう言うと、キーは唇を噛んで、今にも泣き出しそうな顔をするけど、またすぐに微笑んで見せた。
JS「…ほら、王子様のお迎えだよ」
少し前からドギョムが近くにいることなんて気が付いていた。それに気付いていなかったのはキーだけのようで、キーは驚いたようにそっちを見る。
『オッパ…！』
JS「フフッ、ごめんね。ずっと気付いてたんだけどね。じゃあ、僕はお役御免ってことで。…キーヤ？さっきのは本気だからね」
『うん。ありがとう、オッパ』
JS「うん。僕が嘘ついたことある？」
『無いよ。オッパはいつもわたしの味方で居てくれるし』
JS「もちろん」
この役は僕じゃないなんて、強がりを言ってみたけど、少しぐらいなら良いだろうか。豪快にキーの頭を撫でてみれば、キーはまたいつもの笑顔でキラキラと微笑んだ。
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作者名：柚紀
| 作成日時：2022年12月26日 11時
