341 ページ14
(2022年)
(DK side)
『ねぇ！ミンギュヤ、聞いてる？』
MG「はいはい。聞いてるってば」
『ウソ！ぜーーーったいウソ！その顔は嘘つきの顔！』
MG「なんで？！聞いてるって！」
『じゃあ、わたしが今言ったこと一言一句間違わずに言える？』
MG「それは素面でも無理じゃない？」
僕の目の前で繰り広げられる2人のやり取り。久しぶりに97ズでご飯を食べにきた。珍しく？いや、いつも通りかもしれないけれど、キーのお酒の進むペースが早いなと思いながら見ていたら、案の定すっかりと出来上がってしまったキー。
そして、何故か。隣にいる僕ではなく目の前にいるミンギュに絡み出して、今やミンギュの隣に座っていたミョンホのことを押し退けて、ミンギュの隣を陣取ってここぞとばかりに絡んでいる。
MH「止めようか？」
DK「本気でヤバいと思ったら僕も止めるよ」
MH「ドギョミは優しいね」
DK「そう？これでも僕、ミンギュにかなり嫉妬してるんだけど」
そう。いつもならなんて気にしない酔っ払ったキーの絡み。よく被害に遭うのはスングァンかディノで。そんな時には微笑ましく見ているんだけど、何故だろう。今日はやけにモヤモヤとしていて、それを口に出せばミョンホは「おお、ドギョミがそんな反応するなんて珍しいね」と驚いたような表情を見せていた。
『ねぇ！ミンギュヤ！わたしのこと嫌いなの？！なんでドギョミと明浩の方ばっか見てお酒飲むの！』
MG「キーの方も見てるじゃん！それにお酒はみんなで楽しく飲むものだよ」
『ミンギュはわたしのことが嫌いなんだ…』
MG「なんでそうなった？！」
拗ねたように口を尖らせて、『ミンギュのパボ』とかなんとか言いながら、普段ならすることのないミンギュの肩に頭を乗せていて。その様子にミンギュは僕の方をチラチラと気にしている様子だ。
MG「ドギョマ、本当にごめん…」
DK「なんで？なんでミンギュが謝るの？」
MG「俺今日ほどドギョミのこと怖いと思ったことない…」
そんな状況にミョンホは笑いながらも、「Aヤ」とテーブルの向こうから手を伸ばし、キーの肩を叩く。
『なに？』
MH「Aの大好きな人が、拗ねちゃってるよ。いいの？僕が慰めても」
『ソクミニが…？』
MH「うん。いいのかな？」
まるで幼稚園の先生かのようなその対応に思わず笑いそうになる。それに、キーの大好きな人と言われてすぐ、僕の名前が出てきた、その事実だけで今はもう嬉しくなってしまっている僕は案外単純なのだと思い知らされる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1009人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：柚紀
| 作成日時：2022年12月26日 11時
