可愛すぎる彼女の話をしたい【五条悟】

・たまに怖い ページ26

･




『…なにしてんの？』

「…いや、その、俺ら仲良いから胸ぐら掴み合ってただけ。な？傑。」




Aが任務でいなかった。
傑と喧嘩中だった。ヒートアップして胸ぐらを掴み合ったところで運悪く帰ってきたんだけど。




「…そうだよA。男の友情はこういうモンだよ。」

「お前ら喧嘩してただろ。」

「「硝子言うな！」」




静止した時間が動き出したかのように傑から手を離して制服を整えた。


それを見てAが俺を呼ぶように手招きした。




『…傑に謝った？』

「なんで俺が謝んなきゃ『やっぱ喧嘩してたんだね。』……してないって。」

『どっちが悪いかは知らないけど胸ぐら掴むのはダメ。いい思いしないでしょ？』

「チッ……正論かよ。」




あっやべ。舌打ちしてしまった。




『……何？私間違った事言った？
ねぇ今どんな気持ち？答えてよ。』




そこには優しいAの姿はなかった。
一瞬で俺の胸ぐらが掴まれてAと距離が縮まった。




『聞こえなかった？どんな気持ちかって聞いてるんだけど。』

「……怖い、です。」




すごい力で引っ張られていたのに、パッと手が離されて後ろによろめいた。




『ごめんね、意地悪した。
悟が今思った気持ち。傑もさっき同じ思いしてたと思うよ。』




Aに掴まれて乱れたシャツをAは整えてくれた。




『さ、傑に言うことあるでしょ。』

「…謝ってきます。」




Aから特級の呪霊でも生み出されるんじゃないか、ってぐらいの圧に押された。




「ごめん傑……」

「私の方こそすまなかった。」




Aは可愛い。
でもたまに怖い。




･

・推し？→←・待ち合わせ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す