迷子の迷子の ページ10
あれからどれだけ時間が経っただろうか
「ちがう！こっちから来たってば！」
「あァ？こっちだろうが！」
「はぁ？！どうやったら今来た道に戻る選択肢になるの？！」
「おっ。さっきもあったなこんな像」
「同じ場所だよ！！」
上手く力が入らないししょうが無いから集合場所まで、とゾロに抱えられていたAだが、なぜか他の道にも入ってしまいもう任せられんと飛び降り、ゾロの腕を引っ張った
「ねぇ、方向音痴ならそうと言ってくれない？！」
「あァ？！誰が方向音痴だ」
「…はぁ。サンジが怒る理由が何となく分かったよ…」
ゾロが闇雲に歩くので簡単に出ることができなくなった
こちらの2本は結構入り組んでいるらしい
それに一向に他の皆に会わないのはおかしい
「あいつらどこ行きやがったんだ？」
「わからない…ん？こっちから風が来てる…あ！ゾロ！ここ通れる」
石像の後ろからのすきま風に気づきその後ろの通路を進んでいくと正面がだんだんと明るくなっていき、何やら声も聞こえてくる
「こんなのが隠されてたのかー！」
「えぇ。まさか、この島にポーネグリフがあるとは思っていなかったわ」
「壁一面に…これは何かの暗号？」
「色んな石像があるんだナァ」
「これ…動いたりしねェよな？」
「さすがにねェだろ。岩に掘られてるようだしな」
広間に出れば全員がそこに集まっていた
「みんなー！」
「あ！A！」
「あんた達もここに繋がって？」
「いや私たちはまた違う所だったけどゾロのせいでここへ」
「俺のせいにすんじゃねェ」
「苦労したでしょ？」
「うん。疲れた」
「うぉい！！！」
「それにしてもこの部屋…！」
Aは壁一面の文字とポーネグリフに驚き見入る
だが読むことは出来ないのでロビンに聞くともう解読済みだというので内容を聞いた
だが綴られていたのは、やはりこの島の王国の歴史だけ
さっき見た夢に関するものは何も無かった
「そう…」
「あなた達の部屋は何があったの？」
「何も無かったわ。ここに似た外と繋がる場所に池があっただけ」
そして一味は外に出る道を戻りだした
Aは最後に出ようとするロビンを引き止めた
「ねぇ、ロビン…"鬼神"って知ってる？」
「…あまり詳しくはないけれど。20年ほど前に滅んだ一族のはずよ。何か重罪を起こしたと…」
「滅んだ…」
「…その血を持つ全ての人達を、世界政府は皆殺 しにしたわ」
頭の中で警告音が鳴り響いた
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作者名：Ancop | 作成日時：2023年3月16日 15時
