春の町の動物系 ページ37
《セント・ポプラ、セント・ポプラ。お降りの方は…》
海列車のアナウンスを聞きながら駅に降り立つ
一緒に降りた人、これから乗る人で溢れかえるホームを抜け駅から出ると、桜の花やたくさんの花で彩られた町が視界いっぱいに広がった
「んーっ。いい匂いする」
大きく伸びをして新鮮な空気を吸い込んだ
ここ最近のもやもやが少し晴れた気がして、足取りも軽く歩き出した
ゆっくりと町並みを楽しむ
新しいブランドや、人気の料理店
町がキラキラしていて、少し眩しく感じた
久しぶりに新しい服を買って着替え、カフェテラスでアイスコーヒーとサンドイッチでアフタヌーンティーを楽しみ行き交う人々を眺めていた
「はははっ。似合わんのお、ジャブラ！」
「うるせェ！カフェっつったらパフェだ狼牙！」
だがそこにに映り込んできたのは大男4人
あぁ、景色が悪くなった。とそろそろ行こうと立ち上がり横を通り過ぎると、そのうち1人の男と目があった
「(鼻…長い？)ウソッ…プ？…じゃないっ！？」
「んん？…お前さんは！A！？」
「あ？…あ"ァ！？」
「チャパッ！？」
「クッ、もう追ってが！？」
そこに居たのはこの前のエニエスロビーの1件から行方が分かっていなかったCP9のメンバーだった
あのバスターコールの中を生き抜いていたのだ
「A1人か？わしらへの追っ手なのか？」
「…そうだと言ったら？」
4人は少し身構え、Aも刀に手をかける
だが周りの客がざわざわしだし、ここでは今問題を起こせまいと、カク達は話がしたいから移動しようと提案した
そして町の裏路地に入ると立ち止まりそこで話をしだした
「追手かもしれない人間に話なんて…
「いや、お前さんはわざわざ政府に関わることはせんじゃろうて。あれだけ関わりたくないとルッチに言うておるのに」
「それは正解」
「ぎゃはは！ルッチも残念なやつだな！」
「わしらはエニエスロビーからこの町に逃げてきたんじゃが、ルッチは今治療中で眠っとるから起きるのを待っとる」
「そう。じゃ起きる前に帰る」
カク達はまだマシだが、ルッチには死んでも関わりたくないというAの顔にジャブラはゲラゲラとお腹を抱えて笑っていた
だが、Aの後ろに立った男によりそれは止まった
「ほゥ？目覚めてすぐにお前の顔を見れるとわな。俺はついているらしい」
「え"っ」
「チャパ！ルッチ！目が覚めたか！」
さっきカク達を見つけてしまった自分を心底恨んだ
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作者名：Ancop | 作成日時：2023年3月16日 15時
