勝手な孤独 ページ36
「おはよう」
翌朝、食堂に顔を出せばいつもと変わらない風景が広がっている
こちらに気づいた海兵たちがいつも通り挨拶をしてくれ、
同じ中将の人達もいつも通りに接してくれる
それなのに勝手に抱いてしまう違和感
変化に恐れているのは自分だけだ
「どうした？座らんのか？」
「ぁ…いや、うん。ごめんね」
食事はとらずそのまま食堂を後にした
「(はぁ…どうしたいんだろう、私は)」
あの聞こえた約束の地とは、いったいどこなのか
もしそこに行けば自分はどうなってしまうのか
もうここには居られないのでは…
ぐるぐる考えながら本部の廊下を歩いていく
「っわぶ…！」
「おっとっと、ごめんよ…あらら、Aちゃん。険しい顔してどうしたの」
「いたた。あークザンさんか…」
「なに、俺じゃなくてスモーカーが良かったって？」
「それは確かに」
「平気な顔で酷いこというねェ。傷ついちゃうよ俺ァ。…なんかあった？」
「…ううん、なんにもないよ」
にこりと笑顔を作り、それじゃあね。と横を通り過ぎていったA。その元気の無い後ろ姿にクザンは少し頭をかいてポケットに手を突っ込んだ
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「Aが禁書に？」
「あァ、昨日な。海兵を手伝うと言って代わりに行ったそうじゃ。偶然にでも無いじゃろう」
ガープとつるはセンゴクの居ない元帥室で昨日のことを話していた
「…だけどなぜだい？この前全部話したじゃないか。それにあそこには何も置いていないはずだよ」
「そうなんじゃ…何を調べる必要がある」
最近のAの行動は何かおかしい。突然書庫に行くようになり、歴史の島に行き、禁書に行き…
ホグミー島の事は話したが、確かに生まれはわからないまま…それが知りたいのか…他に何か。
「わしらには頼れんことなのか…？」
「失礼します」
「なんじゃ？センゴクは今おらんぞ」
「あ、いえ。A中将が…」
「Aがどうした？」
「先程出航した船に一緒に乗られてW7の方へ…」
「…なぜまたW7に…」
《まもなく海列車が発車します…》
海列車の窓際に座り、海を眺める
船からの景色とはまた違ってたまにはいいなと窓枠に肘をついた
ただ本部に居たくなくて、気分転換にまたやってきたW7
そこから海列車に乗り向かったのは
"春の女王の町"セント・ポプラ
この海の底のような暗い気持ちをかき消すように、春の優しさを求め列車は海の上を走り抜けた
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作者名：Ancop | 作成日時：2023年3月16日 15時
