小テスト ページ1
「…ということで、小テストを始めまーす!」
ニヤっと口角を上げ、教室の生徒達に告げたのは、JUMP高校2年A組の担任教師、山田。
「「「「「えーっ!!!」」」」」
予想通り阿鼻叫喚の生徒たちを鎮めるように両手で空を仰ぐ。
「まーまー。静かに静かに。
今回簡単にしたからさ!」
『この前もそう言ってめっちゃムズいテスト配ったじゃん!!』
一人の女子生徒が言うと、「うっ…」とバツの悪そうな表情をする。
「…ごめんね?」
可愛らしい身長と整った顔立ちの山田がそう謝罪すれば、生徒たちの顔が瞬く間にほころび騒ぎ立てる声が止む。
「「「「「可愛いから許す!!」」」」」
尚、同じような手口で抜き打ちテストを幾度となく行なってきたが、そのたびに許され続けている。
「へへっ…じゃあ配るぞ〜、…てあれ?忘れてきちゃったかも。」
仕方ない、3分だけ予習の時間な!、と教室のドアに手を掛けようするより先に、ドアはガラガラっと音を立てて開いた。
「…あっ、中島先生!どうしたんですか?」
隣の2-Bの担任、職員室でもデスクが隣の教師、中島が紙の束を持って現れた。
「やま…だ先生のデスクにこれ、置きっぱだったから持ってきたんです。」
ぎこちなくそう言って、はい、と小テストの束を山田に差し出す。
「ありがとうゆ、…中島先生、助かりました!」
お互いに軽く会釈をして、中島は職員室に戻って行き、山田は小テストを配り始めた。
「はーいやっぱり予習なし!さ、受け取った人から始めろ〜」
妙に静まり返っている教室に違和感を覚えながらも小テストを配り終え、教卓に腰掛けた山田。
『旦那が嫁に忘れ物届けに来ててワロタ』
『ねえ、今中島先生、「やま」って言いかけたよね!?』
『山田先生も「ゆうと」って言いかけたぞ!』
『ゆとやまktkr!!』
中島との会話の間に、クラスLINEが騒がしくなっていたことも知らずに。
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作者名:しゅーた | 作成日時:2020年12月18日 16時