34. ページ34
貴方.
涼「…………へ、」
吊り橋効果だとか、弟みたいだとか、くだらない言い訳をつけて逃げるのはもうやめにする。
足が震えて動けなくて、逃げ出すことすらできなかった私の手を引いてくれた。ただ押し黙る私を見ても、「大丈夫」と笑ってくれた。弟みたいだと思い込んでいた涼介は、もうとっくに大人の男の人で。
『……期待とか思い込みじゃないから、全部』
涼「それは、」
『言わなきゃ分かんない……？』
隣に腰をおろして、肩と肩がぴったりとくっついた。びっくりしたように私を見やる涼介に、心臓がばくばくと大きな音を立てる。
ここまで私を守ろうとしてくれている人が、果たして他にいるのだろうか。思えば私のそばにはいつだって涼介がいて、ただ笑って見守ってくれていた。それがどんなに幸せなことか。
『……私も好き、涼介のこと』
まだまだ不安だらけだけど、涼介といたら笑顔になれる。私のままでいても良いんだと気付かせてくれる、たった一人の存在。素の私を否定せずに、全てを好きだと認めてくれた人だから。
ちらりと涼介の方を見れば、大きな目はさらに見開かれていて。
涼「ほんと……？」
『ここで嘘ついてどうするの？』
涼「いやでも、え……？」
『……変な顔、』
ちょっとした意地悪のつもりで、彼の頬を指でつつく。途端に真っ赤になる顔が何だか可愛らしく見えて、ちょっと触れただけでこれじゃどうなるんだろ……なんて先のことを考えて面白くなる。
未来のことを想像できるなんて、ちょっと素敵かもしれないなあ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 503人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
流星(プロフ) - showtimeさん» はじめまして！コメントありがとうございます（＾_＾）どちらも読んでいただけているとのこと、とても嬉しいです…！私自身少し見切り発車で書き始めてしまったので、お気遣い本当に有り難いです（ ; ; ）（笑）今後ともよろしくお願いいたします！ (2021年8月17日 0時) (
レス) id: e764027ef8 (このIDを非表示/違反報告)
showtime(プロフ) - はじめまして！昨日から紅一点を読ませていただいてこちらも気になり読ませていただきました！メンバーそれぞれの雰囲気といい話の展開もとても読んでいて楽しくて最高です！！^ ^並行で大変かと思いますがどうか気負いされませんよう、、願っております！笑 (2021年8月16日 16時) (レス) id: cbd3c1c59a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
