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昌暉side
ーガチャ
ドアが開く音がしたのは、夜9時頃。
日に日に顔が死んでく匠海を見てるのも、正直辛い。
仕事もしないで甘ったれた生活をしてる自分に嫌気がさすから、これ以上自分を追い詰めないためにも、匠海にはもう来てほしくなかった。
昌「匠海、おつかれ」
匠「あぁ…お疲れ」
自分の家のように慣れた手つきで台所の水を飲み、今日もらったのであろう台本に目を通している。
昌「匠海、新しいドラマ?」
匠「映画。今回ちょっと難しいかな」
昌「そっか…」
今しかない。
もう来なくて大丈夫だよって言わないと。
昌「…匠海、」
匠「なに?」
昌「あの…さ、…もう、来なくて大丈夫…だよ?」
勇気を振り絞ってそう言うと、何も返答がなくて静けさに包まれた。
匠「……昌暉、なんか勘違いしてない?」
昌「え…?」
匠「俺が昌暉の健康とか体調のこと気にして来てると思ってるでしょ」
昌「え、違うの?」
匠「違うよ。俺が来たいから来てるの。じゃなきゃこんな頻繁にこないよ」
そう言う匠海は嘘をついてるように感じなくて、俺の心にスっと入り込んできた。
匠「昌暉が迷惑なら来る回数減らすけど…迷惑?」
昌「……迷惑じゃない」
匠「ほんと?…じゃあ良かった」
そう微笑んで、また台本読みに戻った。
あぁ…俺、この人には一生勝てないな。
もう、なんでもいいや。
匠海がしたいことに着いてくし、行きたいところに着いてく。
どこにでも着いてく。
匠海に着いていけば、間違ったことなんて何一つない。
それが間違った道だとしても。
そう決めた俺は、もう怖いものなんてない。
*☼*―――――*☼*―――――
まーくんの最後の言葉は、あの人が言った言葉をニュアンスにして入れさせていただきました。
あの人が言ったこの言葉、かっこいいし忘れたくないです。
どうしても匠海くんが多くなりそうなのを頑張って抑えてます…笑
それでは、これからも『僕らが強く。』をよろしくお願いします!
*☼*―――――*☼*―――――
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ましゅまろ(プロフ) - トン助。さん» 初めまして!コメントありがとうございます!とても嬉しいお言葉ありがとうございます、励みになります!DISH//さんと共に、この作品も愛してくださると嬉しいです! (2020年9月14日 15時) (レス) id: de85c83aa4 (このIDを非表示/違反報告)
トン助。(プロフ) - 初めまして。DISH//が大好きで作品を探していたら、この作品に出会いました。文章力と表現力を活かした作品のクオリティに衝撃です。更新本当に楽しみにしています。頑張ってください(^^) (2020年9月3日 20時) (レス) id: 5008114d4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ましゅまろ | 作成日時:2020年8月27日 22時