【BL オリジナル】間違えても愛 (ページ6)

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煽りページ6

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旨い酒、それに合うつまみ、そして程よく相槌を打ちながら話を聞いていてくれる相川。

もはや合コンというより、相川とサシで飲んでいるようなものだった。初対面の割に話し込んでいる俺達を、周りは不思議そうに見ていた。

「ねー、二人って仲いいんだね。正反対のタイプだからあんまり喋らなそうだったけど。」

「それな！意外。」

「え、相川と俺が正反対のタイプ？」

自覚のないことを言われ、不思議に思った。話していて特に、”自分と違う”という感覚は覚えなかったからだ。

奥にいた友人が身を乗り出して話し始める。

「なんつーかさ、お前はちょっとチャラチャラしてるっていうか、派手なとこあんじゃん。でも相川は基本真面目だし、そんな喋るキャラでもないだろ？」

「そう！見た目も正反対だよね。加賀宮くんは茶髪だし、顔も王道イケメンって感じ。相川くんは...なんていうか、美！分かる？美！あーこの二人いいわぁ！」

鼻息を荒くしながら俺らを交互に見る女子。
何を考えてるのか知らないが、なるほど、似ていないという点はそういうことか。だが相川は割に喋るし、お堅い素振りも見せない、でも容姿なら合点がいく。

「あー、確かに相川が”美”っていうのは分かるわ。」

「え...」

深く考えずしれっと口に出した言葉に、相川が固まった。

「いやっ、悪い。変な意味じゃない！」

酒のせいで思考回路が鈍くなっている。女ならまだしも、男に言われて嬉しい言葉じゃないだろう。

不快にさせたかと、相川の顔色をうかがった。

「別に、大丈夫。ちょっとびっくりして...。」

相川はふいっと顔を横に向け、缶のチューハイを呷った。あまり気にしていないように見えたので、胸の隅で少し安堵する。

「え！相川くん何その反応?！もしかして嬉しいの？」

囃し立てるように女子が言う。小学校低学年か。

「今のどこにその要素があったんだよ。」

「だってほら、顔赤くなってる。」

「は？」

いやいや、と思いながら横を向くとバチッと相川と目が合った。

瞬間、目をそらされる。その時の頬は心なしか熱を帯びているように見えた。

...え？いや、酒のせいだろ、と思い直したが、俺たち二人の間には何とも言えない微妙な空気感が、先の女子のせいで漂ってしまった。

互いにそれを誤魔化そうと、また酒を煽っていく。