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きゃっきゃと騒ぐ女子たちを尻目に一輝さんは、はぁ...とうんざりした顔をした。やっぱり。


「おい!一輝にばっか構うなよ、俺らの相手もしろって!」


奥の席から悠太がそう言う。ごめーんと言いながら女子たちは一輝さんから視線を離した。



分かりやすいな、と思う。褒められれば喜んで、放っておかれると嫉妬する、女子同士仲良くやっているかと思えば、人知れず敵対していたり。忙しいものだ。



自分が女子に興味が無いとわかったのは、中学2年の頃だった。


告白されて、NOという理由もないので中学の頃は、色々と付き合ってきたが、決まっていつも、つまらなかった。


”瀬成くん、私のことほんとに好きなの?”


色んな人によく言われた。別に好きでも嫌いでもない、何の感情も抱かなかった。






そんなある日、教室で男子が集まって何やら盛り上がっているのを見た。


何だと思って近寄ってみると、スマホに映し出されている動画を見入っている。






__それは男同士の交わり、だった。


「こんなもんあんだぜ?!」と興味半分、冷やかし半分で見ていたのだった。





僕は初めて見たそれに、なぜかドキッとした。


あれは女と男がやるものだろう、なぜ男同士で...。


初めて見た衝撃的なそれに、自分の中でどう解釈したらいいのか分からなかった。自分自身がそれにひどく興味を持っていたから、なおのこと。





その時に悟った。



自分は男が好きなんだと。



今まで女性にまるで興味が湧かなかったのも、納得できる。ただ、自分でそれを受け入れるのには時間がかかった。






まるで、いけない事のような気がしていて__




昔のことを思い出し、ぐっと酒を飲んだ。酒は強い方ではないから、あまり酔わないようにチューハイにしている。


ふっと横の彼へ目をやった。




彼も彼で、水割りの焼酎を勢い良く喉へ流し込んでいる。グラスの中身を飲み干すと、どこを見るわけでもなく、ずっと黙っていた。




__そろそろ、話しかけようか。






「お酒のペース早いですね。」





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作者名: | 作成日時:2019年6月23日 23時

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