関心 ページ15
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「初めまして、相川瀬成です。えっと...こういう場はあんまり慣れてませんが、宜しくお願いします。」
簡単にあいさつしてから、また席に座る。ふと、隣から視線を感じた。
きっと彼だ、何だろう。僕も彼へ視線をよこした。
「どうも、初めまして。」
少し低めの声で、彼が言った。いきなり話しかけられるとは思っておらず、少し驚く。
「どうも...」
「瀬成くん、でいい？すごい綺麗な顔してるから、思わずじっと見ちゃったよ。」
軽く笑いながら彼は言った。
本音と冗談が混ざったような言い回しだと感じた。
別にきれいな顔がどうとか、そういうことを気にしているわけではない。ただ、彼の本音と建前というものを知りたかった。彼の目をじっと見れば、本心が分かるような気がして、思わずその綺麗な目に見入ってしまった。
すると、僕が見すぎていたのか、彼はふっと僕から視線をそらす。
「おい！次お前の番だぞ！」
誰かが呼びかけて、彼は立ち上がった。自己紹介の彼の番が来たのだ。
思っていたよりも身長が高く、スラッとした出で立ちだった。175、180cmくらいはありそうだ。
「えー、経済学部１年の加賀宮一輝です。よろしくお願いしまーす。」
”加賀宮一輝”
これが彼の名前だった。
名前までかっこいいなと思ってしまう。一輝、なんて。僕なんて瀬成だ。女でも有り得そうな自分の名前があまり好きではなかった。両親のことを恨むわけではないが...。
「ねぇ、一輝くん！あんまり合コンとか来ないよね？どうして今日は来たの？」
「私もそれ思ってた！一輝くん来てくれて嬉しい！」
前に座っていた女子たちが、彼に向かって頬を赤らめながら話しかけてくる。好意があるのは、見て取れる。
「あー...、たまにはいいかなと思って。それに今日来る子みんな可愛かったからさ。」
なるほど、そういう返しか。軽い性格か...、とも思ったが、適当に返事をして喜ばせておけば面倒くさくない、という思いかもしれない。
どちらにせよ、女の扱いには非常に手慣れているようだった。
「えーもうやだ！」
「一輝くんに言われると恥ずかしい！」
思った通りに喜ぶ女子たち。
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作者名：涼 | 作成日時：2019年6月23日 23時
