【BL オリジナル】間違えても愛 (ページ2)

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春と失恋ページ2

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「嘘だろ.....」

まだ桜が咲き始めた４月の上旬。そんな軽やかな春の日に、加賀宮一輝(かがみやいつき)はひとり絶望の淵に立たされていた。

「なんで今...今になって！急すぎんだろ！！」

驚きとショックでわなわな揺れる瞳の先にあるのは、

『私達、もう終わりにしよう。』の文字。

無機質なスマホ画面に映し出されたその文字は、加賀宮の彼女からの別れを告げていた。

「なんでだよ.....」

はぁ...と深い溜め息をつき、机に突っ伏した。

彼女とは、それなりに上手くいっていると思っていた。

去年の秋頃から付き合い出し、大きな喧嘩もせず、クリスマスや誕生日は必ず一緒に過ごした。デートもよくしたものだった。世の言うカップルの典型的な姿だったではないか。そこになんの不満があったのか。

『なんで急にそんなこと言い出すんだよ？』

必死の思いで顔を上げ、トーク画面へ返信を打つ。

自分の行動を振り返ってみても反省点が浮かばない。やらかしたこともない、怒らせたこともないはずだ。

ピコンと電子音を立て、彼女からの早い返信が来る。

恐る恐る画面を見ると、

『一輝くん、普通すぎてつまんないの』

「は...？」

"普通すぎてつまんない。"

これが彼女に振られた原因だった。

普通すぎて、普通すぎて...？じゃあ普通じゃない付き合い方はなんだ？普通に愛しちゃだめなのか？

予想外の彼女の返答に、加賀宮の頭に幾つものはてなが浮かんできた。

だが、あまりにもあっさりと終わってしまった恋愛に、加賀宮は為す術もなく、途方に暮れる日々を過ごすのだった。

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