♯ ページ25
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家庭がバラバラになった時、兄は祖父母の家がある和歌山へ引っ越した。実はその時にご近所やったのが遥輝くんやった。
兄と同い年で誕生日が一緒、コースは違えど高校も一緒で懇意にしていたらしい。
甲子園が終わったあとのつかの間の夏休み、兄の帰省とともに遥輝くんがうちの家に泊まりに来たこともある。
「ていうかさ、A、結婚したんやって？」
「うん。中学の同級生とね」
「そっか、あのりょうってやつ？」
「……うん」
2人しかいない副音声の放送ブースには湿っぽい雰囲気が漂う。
「幸せか？」
「うん。めっちゃ幸せ」
「そう。それなら良かったわ」
笑うと三日月形に形を変える目。何もかも見透かしたような瞳に見つめられると、とてつもなく泣きそうになってしまう。
「おいおい、せっかく可愛くしてもらってんねんから泣きそうになるなって！」
「だって……」
「俺はAには笑っといてほしいな」
この人は亮と同じくらい、私の全てを知っている。受け入れてくれた。
私が双子で片割れを亡くしたこと、1度家庭が崩れかけたこと。心の傷に寄り添ってくれた。夏になって悲しさが増した時、隣にいてくれた。格段何かを話すわけじゃなかったけど、ただ隣にいてくれるだけで心が救われた。
……それが惹かれたきっかけになったんかな。
『A、俺、Aのことが女として好きや。
プロ野球選手なりたいし遠距離やから遊ばれへんし、苦労はかけるかもしれへんけど絶対に幸せにする。
……付き合ってくれませんか？』
『私も遥輝くんのこと好きだよ。遠距離でも、遥輝くんと、付き合いたい……』
初めて付き合った。初めて夜を超えた。初めて、結婚したいと思えた。
「俺もはよ結婚したいけどしばらく無理やろうなあ……」
「昔慎吾も言っとったけどさ、遥輝くん顔はいいから、あとはくせの強さと潔癖を抑えたらいいんやない？」
「おい、さっき泣きそうになっとったやつの言うことちゃうやろ！」
今1番大切なのは亮だと言いきれる。それでもきっと、私の人生に遥輝くんは残り続ける。一生忘れられない。
「事実やん。それかもう割り切って独身貫く」
「まだ諦める歳ちゃうやん……」
「じゃあ婚活サイトに登録する。遥輝くんレベルになったらすぐ拾ってくれるやろ」
「あかん。球団に怒られる」
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みゆし(プロフ) - 最近読ませて頂いてます！パスコードを教えて欲しいです🙇♀️これからも素敵なお話楽しみにしてます (2月11日 11時) (
レス) @page40 id: b2f1dffa53 (このIDを非表示/違反報告)
rioyamakawa(プロフ) - この小説の更新待っています！ (2019年12月14日 1時) (レス) id: faed70be53 (このIDを非表示/違反報告)
あおやなぎ(プロフ) - rioyamakawaさん» ありがとうございます(；；) これからも頑張ります〜！ (2019年7月23日 10時) (レス) id: c05e59e944 (このIDを非表示/違反報告)
rioyamakawa(プロフ) - この小説占ツクの中で1番好きです！！これからも更新楽しみにしています！！！ (2019年7月17日 11時) (レス) id: faed70be53 (このIDを非表示/違反報告)
あおやなぎ(プロフ) - たむさん» ありがとうございます(；；) これからも頑張ります！！！ (2019年6月30日 23時) (レス) id: c05e59e944 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおやなぎ
| 作成日時：2019年6月27日 22時
