JUMP短篇集（JUMP×JUMP）5

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…
side・ar

「ただいまぁ〜…」

って、山田はまだ帰ってないか。


ふぅ〜、今日は参ったなぁ。
シャワー浴びてサッパリしたとこでビール片手にソファに座り込んで、今日の反省タイム。

聞いてたよ？ちゃんと段取りは聞いてましたよ？
台本ちゃんと読んでるもん。


だけどさぁ。
なぁんで俺なんだよ。
光くん居たじゃん。
薄切りってどんだけのことさ？
あれ以上薄く切るってのは、俺の指が、手が危険じゃんかっ！
ちゃんと山田に教わった通り猫の手してやったもん。
ピーラーだって裏表ちゃんと分かって使ったもん。


だのに、なんでかなぁ？
やはりポンコツで終わってしまった。

残念な感じで終わるのは美味しいけどさ。
あーぁ。


その後のコーナーでの一場面。
アルミホイルぅーー(泣)

俺、あーゆーのって苦手。
なんで全部飛び出してきちゃったのかなぁ？

んーむ。特訓すっか。


ゴソゴソゴソ…
えーと、確かこのへんに…

お、あったあった。
山田の買い置き！


リビングのテーブルまでたくさんのアルミホイルを運んで、さて！やりますかっ！て手を伸ばしたら


カチャって、ドアが開いたんすよ。


「な、に、やってんの？」

「や、やま、だ。…えと、自主練？」

「なんで疑問文(笑)」

「あー、うーんと、えと、おかえりっ！」

「おー、ただいま。風呂入ってくんね」

「いてらー」



ひゃー焦ったー。
山田がいない間に特訓しようとしたのにー。

まいっか。
飯の支度しよーっと。
と言っても山田が下ごしらえしてくれてたものをあっため直すだけだけどー(笑)




「おっ、用意してくれてたの？ありがと」

「へへ、これっくらいわね」

「んじゃ、食べますか」

「「はぃ！いただきまーす」」


「ところでさぁ、だいちゃんさぁ〜」

「んー？お、これうめぇ〜」

「何アレ？お昼の大根…」

「ぶほっ！！」

「うわぁ、きったないなぁー(笑)」

「え？え？見てたの？」

「うん。たまたまね〜」

俺の口周りとテーブルのうえを拭きながらニコニコ顔の山田。
仕事中なはずだから絶対見れないと思ってたのに。


「ご飯食べたら色々特訓する？」

って、自分で作った角煮をうまーい♪って言いながら咀嚼して、俺の自主練に付き合ってくれるらしい山田。
優しい〜♪



って、思った20分前の俺。
猛烈に後悔するからそんなこと思うな！と言ってやりたい。


「ほらっ！そんなに厚く切らない！それじゃぁ煮物用だよ！」

ビシっ！てお玉で叩かれる俺の手の甲。
こええよーぉ。

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