真っ直ぐ ページ34
二人が出て行ったのを見届けると、シウォンが私の隣にストンと腰を下ろした
SW「それで?」
なんてニッコリえくぼを作った彼が温かい大きな手で私の髪を撫でる
もうそれだけで熱いものが瞳の奥まで上って来ているのに…
「……」
SW「……A、約束したよね?僕の前では意地も張らないし、吐き出したい事はいつだって話すって…無理しないで素直になってって言ったよね?」
頷いたらもう瞳からそれがこぼれてしまうから、ただじっとシウォンの大きな瞳を見つめる
SW「だから…それも無理しないでって言ったよね」
髪を撫でていた彼の手が私の目元をすっと撫でる
もう、だめ…
「シウォナ…ごめ、ごめん…ちょっとだけ、ちょっと…おねが…」
SW「うん、おいで」
おいでって言ったのは彼なのに、彼の方から近づいて、私をゆっくりと抱きしめてくれる
「シウォナ…ごめっ…」
SW「謝らなくて良いよ…僕はAの味方なんだから」
いつでも真っ直ぐな彼だからこそ、誤摩化しなんてきかないから…
いつでも真っ直ぐなこの人の腕の中だからこそ、いつも意地っ張りな私がやっと涙を流す事ができるんだ
「シウォナ……ごめ…ん」
SW「大丈夫…大丈夫だよA…僕が来たから…泣きたい時は泣いてしまおう」
その声にまた安心して
遠慮がちに納めていた腕を彼の首の後ろまで持って行って、ぎゅっとその大きな身体にしがみつく
シウォナの大きな手がゆっくりと私の髪を撫でるから
涙は全然止まらなかった
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作者名:ルル | 作成日時:2015年8月13日 0時