違う DH ページ23
違和感を感じてAの顔を思い浮かべる
Aが俺たちの前で楽しそうに笑う事、からかわれて怒る事、そんな事はしょっちゅうあったけど…
Aが俺たちの前で涙を見せた事なんてあっただろうか…
ぐるぐると考えてみたけれど、Aが泣いていてそれを励ます俺ら、という場面はいくら探しても思いつかなかった
違和感の正体はすぐに見つかって、Aと泣き顔なんてことは今までに結びついた事なんてなかったからなんだ
JH「おい、ドンへ?」
DH「え?あ、何」
JH「何じゃなくて…ぼうっとしてたぞ」
DH「え?ああごめん…Aはもう部屋戻ったの?」
Aが泣いている…その事実を確かめたいという小さな好奇心と、
理由はあれなんじゃないかっていう心配に妙に鼓動が焦っている
JH「…さっきの見てなかったのか?」
DH「へ?」
次のヒョンの言葉で俺は一気に冷や汗をかいた
勢い良く個室の扉を開けると、放心状態のようなヒョクが座っていて、ジミンがその隣でその手を握って何か話しかけている最中だった
DH「ヒョク!!二人は!?」
EH「え…ああ…分かんない」
DH「電話は?かけたの!?」
EH「え、ああそっか!」
慌てて電話をかけているヒョクに祈って見つめるけれど…
EH「だめだ…繋がらない」
JM「いいんじゃない?」
その一言に俺もヒョクもジミンの方へ勢い良く視線を向ける
JM「だってキュヒョンは同じメンバーでしょう?変な男に連れられていったわけじゃないじゃない…Aさんだって体調悪いって言ってたし送って行ったんじゃないかしら」
何も分かっていないジミンに俺はさらに腹が立っていた
JM「ドンへも座って?きっと大丈夫よ。ほら、飲み物でも飲んで…」
DH「ちがうんだよ…」
EH「ドンへ?」
DH「Aは違うんだよ!!!」
気付けば俺は大声を出して、荷物を引っ掴んで個室を飛び出していた
カウンターでジョンフニヒョンを呼ぶと、ヒョンは何かを察してくれたのか、
JH「出て左に走ってったぞ…それ以外は分からん」
DH「!ありがとう!」
ドアにかかった綺麗な呼び鈴が、俺が勢いよく開けたせいで強く鳴り響いていた
違うんだよ…
きっとただ帰ったんじゃない…
俺がすぐ近くに居たのに…
A、泣いてたの?
なんでキュヒョンと出て行ったの?
まだ、一人で泣いてる…?
俺は上がり始めた雨の中、ひたすらに走りながら「出ろ」と願いながら電話をかけていた
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作者名:ルル | 作成日時:2015年8月13日 0時