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七十四話 ページ48

まん丸で、黄金色で、綺麗で、猫の様に尖った瞳孔。ずっとずっと、見つめたかった彼の瞳。
じわっと溶けたバターがパンに染みるみたいな、熱っぽい感覚に浮かされた。

瞳から、読み取れた魈の感情、や、思考は、…いや、え、だって…これは…、だって、…見てるのは、わた──────────。






「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ?!?!?!?!」


顔が発火したのではないかと思うほど熱い熱を持った。先ほど冷え切っていた感情とは裏腹、私の重い思考など、発火と共に消し飛んだ。
魈から読み取れた感情は間違いなく恋慕だ。誰に?疑うわけもない、どう考えても私に、だ。いやありえない。

現実を受け入れることが難しく、逃げ出そうとしたが、よく考えれば両手は魈の手に捕まっており、逃げることすらできなかった。
突然表情を変えて暴れ出した私に理解ができなかったのだろう。魈はしばらく驚いた表情をしていたが、私の焦っている原因がわかるや否や、握った手を引き寄せて、私に顔を近付けた。


「っ、すまない。こう言ったことはきちんと言葉で伝えるべきだった。
A、我は、お前のことが────────。」

「ぎゃあーーーーーッッッ!!!!!言わなくていい!!言わなくていいから!!再確認とかいらないから!!」

現状恥ずかしさと嬉しさと混乱で爆散しそうなのだから、控えめに言って、そっとしておいてほしい。
しかし、それでは魈の方が気に食わないのだろう。私だけが一方的に色々と察してしまったので。
おもむろに手を握りなおし、感情を読み取らない様にとそっぽを向いた私の方へその顔を寄せる。


「眼を逸らさないでくれ。」

「ムリデス…。」

「何故。」

「魈が一番わかってるじゃん!!というかこっちは不意打ちだったんですけど!!びっくりする!!」

「我は、ようやくお前と目が合って嬉しかった。」

「ヒェ………………。」



私の頬を優しく撫で、愛おしさを噛み殺したような表情で私を覗く魈の顔は今まで見たことがない。
この千年で魈に何があった。それを気にせずにはいられなかった。

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ノア(プロフ) - まっでまじだ!! (2022年11月13日 9時) (レス) @page33 id: 7cc6cd9634 (このIDを非表示/違反報告)
ぐへへへへ - あばばば好きすぎます!!お体お気をつけてください!続き楽しみにしてます!! (2022年9月14日 1時) (レス) @page32 id: 55d4558f37 (このIDを非表示/違反報告)
gtuysut5843…(プロフ) - 更新楽しみにしてます!お忙しいでしょうが頑張ってください! (2022年9月2日 0時) (レス) @page32 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
rurinigana(プロフ) - すっごい好みなものを見つけてしまった…!夢主ちゃんかっこよすぎる!!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2022年6月22日 11時) (レス) @page32 id: 29637ba3af (このIDを非表示/違反報告)
ふわな - 本当に面白いです!これからも頑張ってください!応援してます! (2022年6月15日 8時) (レス) @page30 id: 71a4ce2144 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とりまろ。 x他1人 | 作成日時:2021年6月10日 13時

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