六十話 ページ32
side 魈
─────────ガガガッッ…!
構ういとまさえなかった一瞬のこと。
弾けるような音と共に離れた手に肝が冷えた。
だが、それは手を伸ばすより先に自らの足で体制を建て直し、顔の右側から滝のように溢れ出る赤を抑えてその傷口に蓮を咲かせる。
「A…っ」
「私は問題ありません!前を向きなさい!!」
かけた声を飲み込むような大声で動揺や混乱にざわめく人間や、振り返ったままの仙人達に向けて叫ぶ。
がくがくと震える足や、あからさまに青く染まった顔はとても支障がないと断言できない状況下であると表している。
それでも、滲む汗も苦痛の表情も振り払い、強く地に足をつけ、自らを鼓舞するAの瞳に宿る炎は潰えない。
もう自分の体を支えることすら困難な状況にも関わらず、彼女は自らの体を細いその足で必死に奮い立たせている。
「────────魈。」
滲む汗と酷い雨の中。
Aは苦痛と疲労の拭えぬ表情で我に向けて手を伸ばした。
「手を繋いでて。
心強くて、安心するから。」
寒さなのか、それとも神力に当てられたが故なのか、ガタガタと震える手先。
その手を壊さぬようにと握ってやれば、震えは嘘のように収まり、彼女は微笑みを浮かべた。
命しか奪ってこなかったこの手の平に触れて、安堵するなど、到底理解できなかった。
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実は戦闘シーン描くの下手くそマン。(なんで書いてる)
もうちょいで璃月編が終わりますね!まぁ海灯祭とか月逐い祭とかあるからまだ終わりってわけではないんですが!!
ちな、物語の冒頭で「璃月に興味はない、無頓着だ。」と言っていたAさんが、「璃月を傷付けられて怒らないわけがない」って言うところに、本当は璃月が大好きなんだって意味が込められてていいよなぁって思ってます俺。(素直じゃない)
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ノア(プロフ) - まっでまじだ!! (2022年11月13日 9時) (レス) @page33 id: 7cc6cd9634 (このIDを非表示/違反報告)
ぐへへへへ - あばばば好きすぎます!!お体お気をつけてください!続き楽しみにしてます!! (2022年9月14日 1時) (レス) @page32 id: 55d4558f37 (このIDを非表示/違反報告)
gtuysut5843…(プロフ) - 更新楽しみにしてます!お忙しいでしょうが頑張ってください! (2022年9月2日 0時) (レス) @page32 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
rurinigana(プロフ) - すっごい好みなものを見つけてしまった…!夢主ちゃんかっこよすぎる!!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2022年6月22日 11時) (レス) @page32 id: 29637ba3af (このIDを非表示/違反報告)
ふわな - 本当に面白いです!これからも頑張ってください!応援してます! (2022年6月15日 8時) (レス) @page30 id: 71a4ce2144 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とりまろ。 x他1人 | 作成日時:2021年6月10日 13時