@141(安) ページ43
楽屋に入ると1番なによりも先に目に入ったのは、下を向き、大量の汗をかく大倉。
亮も、信ちゃんも普通におはよぉと挨拶してくるが、それに返事をしてる余裕はなかった。
真っ先に大倉の側に行き、肩を掴むと、どうやら僕らが入ってきた事に気づく余裕さえなかったみたいだった。
必死に挨拶して、笑顔を作るが、手も口も震えて、でも汗は滝のように流れていた。
2人が気づかなくてごめん!と謝るその言葉さえ耳に入っていないだろう大倉は目を泳がせて、これから何を言えばいいだろうと慌ててる感じがした。
でも、今僕らが聞きたいのは、言い訳でも、大丈夫でも無くて、助けてって言葉だったり、頼られる言葉なのに、、きっと大倉の考えてる事は違う。
肩を掴んでた手に少しだけ力を入れて大倉と目を合わせると、「一回横になろ。」とだけ声をかける。
やっと目の合った大倉は凄く苦しそうに「ごめん」とゆっくり横になった。
横になった大倉にそれぞれのやれる気遣いをしてくれて、布団をかけてくれたり、お茶を買ってきてくれたり、常に手を握ってくれたり。
そのうちにゆうちんも楽屋に到着。ご機嫌で入って来たが、楽屋の空気を察してすぐに静かに大倉の頭を撫で始めた。
「、、みんな、、ごめん、なさい、」
少し落ち着いた大倉の口から出た言葉はやっぱり謝罪。
「大倉〜、俺らが聞きたいんは、ごめんとかじゃないねん、ありがとうやろ?それに、何で言わんかったんや、亮もヒナもおったのに」
そこまで言って説教みたいになってるのに気づいたしぶやんは、言葉を止めてんんっと咳払いした。
「大倉?ごめんな、気づかれへんで、、どうした?体調悪いところ合ったんか?」
亮にそう言われると大倉は本当に申し訳なさそうに「分からんねん、、」とだけ言ってきゅっと布団の端を強く掴んだ。
「、、そっか、、もしかしたら、収録でまた体調悪ならないか、体が不安なのかもね。大倉の気持ちは動きたい!働きたい!って思ってても脳とか心がまだ着いてこられへんのかもね。」
「でも、安、、俺、仕事したいねん、、俺には仕事しかない、、」
不安で不安で堪らないであろう、大倉の背中をさすりながらメンバーみんなと目を合わせた。
「大倉?それをサポートするのが俺らや。大丈夫。何があっても俺らがうまく回す。安心しろ。」
考えてる事はみんな一緒だったようで、亮が代表して力強く言うと、大倉は何故かびっくりしたように見上げて「ごめん、ありがとう」と泣き出した。
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こう(プロフ) - 久々の更新ありがとうございました!作者様の無理のないように更新してください! (2020年8月17日 18時) (レス) id: 2754d8d796 (このIDを非表示/違反報告)
おかか(プロフ) - こうさん» コメント当時、お返事が出来ずに申し訳ありません。今もこの小説を見てくださっているかは分かりませんが、楽しみにしていましたという言葉が嬉しくてまだ続けさせていただいています。本当にありがとうございます。 (2020年8月15日 7時) (レス) id: 52798afd06 (このIDを非表示/違反報告)
おかか(プロフ) - みどりむしさん» 体調の心配までしていただいたのに、当時返事が出来ずに申し訳ありません。この長すぎる小説を今も見てくださっているかは不明ですが、このコメントのお陰で続けて僭越ながら続けさせていただいています。本当にありがとうございます。 (2020年8月15日 7時) (レス) id: 52798afd06 (このIDを非表示/違反報告)
おかか(プロフ) - 和貴さん» コメントありがとうございます!このまま更新していいという言葉が多かったのでこのまま続けさせていただきます!無理のない範囲で更新頻度も少しではありますが上げていく予定です。今後もよろしくお願いします。和貴様もコロナにはお気をつけ下さい。 (2020年8月15日 7時) (レス) id: 52798afd06 (このIDを非表示/違反報告)
おかか(プロフ) - ジェイさん» コメントありがとうございます!ご心配ありがとうございます!今までより元気な日も増えましたので、更新頻度も少しではありますが上げていく予定です!このまま更新していいという言葉が多かったので、このまま更新させていただきます!今後もよろしくお願いします! (2020年8月15日 7時) (レス) id: 52798afd06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おかか | 作成日時:2018年9月20日 10時