くまさん(病)@3

@121(村) ページ22

すばるを先頭に病院に大倉を連れてきた。

なんだか張り切ったすばるはいち早く受付に行ったが、ひょこひょこと戻ってきてヒナ！！ヒナ！！と俺の名前を呼ぶ。

「しーっ！病院やぞ！、なんやねん！」

一応みんなマスクをして裏の方から案内されているのに受付から小さい声に特徴のあるおっさんが中々の声量で走ってこられては困る。なんの意味もない。

「あ！せやった！、あの、大倉の病状、俺よりヒナの方が詳しいやんか。紙書いたって！」

注意したのに全然変わらない声量。話聞いとんか、こいつ。

「あーおけおけ。どうせやから、すばるも、」
一緒にと言おうとしたら「当たり前や、」と前を歩き出す。すばるお兄ちゃんは張り切っているようだ。

問診表を受け取り、無言で項目を埋めたり、備考を書いていると、横から「ほんまか、、？」と小さな小さな声。

「せやで、嘘みたいやけど、ほんとの話。」

ははっ、と苦笑いするとすばるから何の反応もない。横を少し見ると、眉間に皺を寄せ、決意したような、心配したような微妙な顔をしていた。

「今から、みんなで治すし、支えるんやろ、心配すな。」

ハッと目覚めたような顔をして、当たり前や、と口をへの字にしたが、強がったおっさんだった。


「、、、俺にも責任があんねん、」

ボソッと言った言葉は聞き逃さなかったが、その件に関しては、終わった事。だが、反省はしてほしい、、と考えて触れずに無言で問診表を渡した。

この小さいおっさんのせいで感じていた視線から逃げるように裏へ行くと大倉が簡易ベッドで点滴を受けていた。目も覚めていて寝たままだが、メンバーと話している。

「おお、大倉目ぇ覚めたんか！！」
「しーっ！村上くん！いっつも声でかいで？？怒られるて。」

しーっと口の前に人差し指を持ってくる大倉を見て微笑ましくなった。

「あ！でもな、俺よりこいつの方が声でかいねん。お陰で注目の的や。」とすばるを指差すと、は？何の話や。としらを切るすばる。

しばらくくだらない言い合いをしてると無事、看護師に怒られた。

それを見た大倉は楽しそうにケタケタ笑っていたからいいか〜なんて思ってたけど、病院的には良いわけがないよな〜。w

しばらく点滴を打っていると、大倉専属になりつつある看護師さんがいつもの熱だから、また少し大事をとって入院だと。言った瞬間の大倉の顔は
幼稚園児そのものだった。

「大倉！大人なんだからもうちょっと顔意識せぇ！」とヨコが言うとみんなで笑った。

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