どうされたいか、言ってごらん？ (ページ12)

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黄色王子様 -1- ページ12

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私の隣に座った彼は。

いきなり腕を私の肩に回してグイッ、と引き寄せた

『…っ』

ビクッと身体が震えて、持ってるコップを床に落としそうになる

恐る恐る彼の方を見ると彼はしっかり私の目を見てニコッと笑った

咄嗟に目を逸らす。

それから耳元で

「ちょっと待ってね」と囁いて優しく微笑むと

？「相葉さーん！この子俺が預かっていい？」

雅紀さんに向かって叫ぶと「じゃ、行こっか」って私を立たせた

てか、雅紀さん・・・

「いいよ！」ってすっごい笑顔で言ってたけど、なんか胸ズキンときた

あんな笑顔で送られると悲しい・・・っていうか、もうちょっと構って欲しかったっていうか・・・。

あー！もう！

何考えてるの！

構って欲しけりゃ、あんな緊張してないで話せって話だよね。

・・・うぅ。
雅紀さんにとって私はつまらないお客だったのね・・・

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？「顔、死んでるけど大丈夫？(笑)」

どこに向かってるのかわからないけどとりあえず彼に付いていく、私。

色々考えて悲しむ私を不思議そうに見つめるその瞳は

子犬みたいに可愛い

『…いやっ……大丈夫です、全然…ふふ(苦笑)』

そういや、この人

普通に私の手を取って

手を繋ぎながら歩いてるけど。

名前も知らないし

初めて会うのに馴れ馴れしすぎません？

『あ、あのっ！』

私の声は周りの音に紛れてきっと聞こえてない

そのまま前に向かって彼は歩き続けてる

『あーのっ！』

？「…ん？」

さっきよりも大きな声で叫んだら、歩く足を止めて私の方を振り向いた

その時にふわっと前髪が目にかかったのが色っぽく見えたのにドキッとしてまたビクッと身体が変に震える

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