甘蜜

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「よし、着いた〜！！」




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目の前に広がる緑の山々、美しい鳥のさえずり、新鮮で美味しい空気…





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自然がいっぱいなこの場所で、私は大好きな人と今日から新生活をスタートするんだ




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「ふふ、隼人もう来てるかな〜♪」




隼人っていうのは私の彼氏。

半年前に付き合い始めて、ここの近くにあるというお洒落な家で新生活をスタートするんだ♪

そして３ヶ月後には結婚……♪



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「んへへへ♪」


ニヤニヤしながら事前に渡された紙に書いてあった住所の方へと向かった





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「な、なななにこれっ……」



目の前あるのは事前に聞いていたお洒落な洋館風の家…


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…とは真逆の古めかしい和風の大きな家


周りは雑草がいっぱいだし、とてもじゃないけど住める雰囲気ではない


何度住所を確認してもやっぱりここで間違ってはいないようだ




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「き、きっとなにかの間違いだよね。そうだ。隼人に電話っ…」



プルルル…



『おかけになった電話は現在使われておりません』




「え…なんで…？」






プルルル……



『おかけになった電話は〜…』



プルルル……



『おかけに〜……』







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出ない…。何度かけても出ない…。


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「なんでー！？？」




なんで出てくれないの？もしや携帯変えたのかな…。でも全くここに来る気配もないし…。



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1人で考え込んでいると……






「俺の家になんか用？」





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こげ茶色の髪の毛がぼさっとして無精ひげの生えた背が低めの男性が警戒しているオーラを出しながら立っていた


髪が目にかかっているため、どんな顔をしてるのかはよくわからない




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「誰？アンタ」


「わ、私は新城優愛！今日から彼とここに住むの！」


「ここ俺の家だし。」


「違う！彼が買い取ったって言ってた！」


「じゃあそいつはどこにいんだよ」


「い、今は連絡が取れなくて…。」


「不動産屋の連絡先は？」


「…彼が全部やったから知らない。」


「はぁ…とりあえず中入れよ。ここで突っ立ってんのも困るし、俺がこの家買った時の不動産屋の連絡先探してやるから」


「あ、ありがとうございます…」




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これが私と彼との初めての出会いだった

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