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母が亡くなって二週間もした頃、父がようやく落ち着いた。
「迷惑をかけてすまない。不甲斐ない父で本当に申し訳なかった」
申し訳なさそうに言う父に、ルナサも兄も安堵した。けれど、その日のうちに父はやはりおかしくなってしまったのだと思い知らされることになった。
「
口でそう言いつつ、父は笑っていた。自身の娘を家から少し離れた温室に閉じ込めた彼は、普段の誠実そうな顔とは打って変わって、ただ不気味に微笑んでいた。
母と同じ美しい髪。ルナサの髪は母の髪そのもので、父から見ても妻の面影を感じられずにはいられない。
父は妻のことを忘れたくなかった。いずれ嫌でも薄れていくであろう記憶を、かけらも手放したくなかった。
ルナサがいてくれるなら、きっと母のことも思い出せる。ルナサの容姿は、母に類似していたから。
けれどもし、ルナサまで遠くへ行ってしまったら？そんなことはありえないなんて、誰が言い切れる。
父は自身だけを納得させることができる滅茶苦茶なエゴを持って、娘を軟禁するという暴挙に出たのだ。
しかし、ルナサは拒絶しなかった。母が亡くなって苦しいのは、自分も同じだったから。自分よりも母のことをよく知る父なら、きっともっと、その心の痛みは壮絶だろう。父は母の、妻との思い出を守るとともに、娘の身を案じて護ろうとしてくれているのだ、と。自身に言い聞かせ、すんなりと納得した。それに、きっとこれは罰でもあるんだ。わたしは外で出会った沢山の人に、沢山の嫌な思いをさせてきたから。だからもう、神様は怒ってしまったんだね。もう外に出てはいけないという暗示なんだね。
母が亡くなったのも、
「ルナサの元気が出るように、ルナサの好きなタルトを買ってくるからね」
あの人はそう言って出て行って、帰らぬ人となってしまった。
だから、わたしのせいなんだ。わたしはやっぱり、悪魔の子だ……。
拘束はされていなかったはずなのに、様々な思いがルナサを縛る枷となった。兄はルナサを助けようと父に抗議したり、ルナサを諭したりしたが、ルナサが外に出ようとせず、状況を受け入れる姿勢を示していると、次第に何も言わなくなった。ただ、
「何も出来なくて、不甲斐ないお兄ちゃんでごめんな」
そう言って涙を流し、妹を抱きしめた。
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褪紅(プロフ) - ろぺさん» はい喜んでーーーー！！笑 ろぺさんのボードにお邪魔致しますね……！！！ (2022年5月12日 21時) (
レス) id: dacdd01a78 (このIDを非表示/違反報告)
ろぺ(プロフ) - 失礼します。悪魔側のステラで参加させていただいているろぺです。もしよろしければ契約関係結びませんか？お返事いただけたらボードに移動したいです…！ (2022年5月12日 21時) (レス) @page6 id: a178abbb82 (このIDを非表示/違反報告)
元素(プロフ) - CS確認いたしました！問題ありませんのでこのまま受理させていただきます！それはそれとして地獄すぎませんか？この戦いで何か得られるといいですね… (2022年5月7日 10時) (レス) @page7 id: c288555a46 (このIDを非表示/違反報告)
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