リアコだって知ってる。2

dear40 ページ40

深夜3時




推しにTシャツを着せるよう頼まれる


『Tシャツくらい自分で着なよ』
「できない〜具合悪〜い」
『薬と冷えピタ持ってくるから待ってて？』


急にぐずって何もしなくなった


『Tシャツ貸して』


首元を広めに開けて首を通す



『こら、頭デカイんだからじっとしてて』

「そりゃ頭くらいデカいよ」




腕を通す気力もないみたい




『薬これね？錠剤飲める？』

「俺の友達Aちゃんと同じ歳くらいなのに飲めないよ」


お水を渡すと「ん〜慣れないね？」なんて
笑いかけてきた



ノーセットで熱におかされてぽわぽわしたふっか

動画を撮りたい…



彼の体力はもう限界みたいで
そっと布団をかけて
隣にトリッピーを寝かせてあげる


『今日はソファーにしよ』


そう呟いて寝室の電気を消した


----fk----


帰ってきて1番に会いたかった

マネージャーには怪しまれないように
スーパーの近くに車を停めてもらい
いつも通りビールを4本手に取る



雨の中走って向かった

思っているより雨脚は激しく阻まれる


約一ヶ月間の疲れと大雨で
うまく足は上がらない


当然傘なんて持ってなくてずぶ濡れ



やっとの思いでAちゃんの家に着いた


ソファーに座る後ろ姿を確認できて
張り詰めていたものがピンッと解けた



なに、俺泣いてんじゃん
Aちゃんの前で泣きすぎ

嬉しさで気持ちが昂って
なにも考えずに抱き締める

カッコよく甘い言葉でキメたかったけど
くしゃみには勝てなかった


情けないよね、俺


やっと笑ってくれた
何年も前から遠くで見てた笑顔


あーだめだ、
嬉しすぎて全身の力が抜ける
好きな人の胸に沈む

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