リアコだって知ってる。2

dear20 fk ページ20

今日は舘さんとラジオ
目黒・佐久間ペアは収録中
楽屋は舘さんと2人きりで優雅な時間が流れてる


「舘さん…頼みがあるんだけどさ…」
「なに、ふっかからのお願いとか怖い」





「俺に料理教えてくんない？」









「は？」



「え？そんなに意外？」


「いやいや、何かしこまってるのかなって」
「舘さんに頼み事なんてそれしかないっしょ」
「ん？なんか言い方悪くない？」


「いやさ〜、聞いてよ。今日食パンくらい焼けるだろ〜って思って焼いたらまる焦げよ」
「それは才能ないな」



絶望的



Aちゃんに料理作りたい！って一心で言ったけど
お互い忙しくて教えてもらう時間もなさそう


「料理教室は現実的じゃないしね…家くる？」
「え？まじ？いいの？？」
「今日この後暇？」
「空いてる、家行く」



ラジオ収録を終えて舘さんの家へ


「どうぞ〜」


久しぶりに来た舘さんの家は相変わらずオシャレ
Aちゃんに付いてた香りそのもので
少しだけここに居た事を想像してしまう


「あれ、お花なんて飾ってるんだね」
「そうそう貰ったやつ」
「舘さんの事だから、カッコいい花瓶とかに生けてそうなのにワインの空き瓶とか笑」





「これね、Aちゃんがくれたやつ」



「え？」


本当にAちゃんがこの家に居た事を実感させられた



「前に来た時に買ってきてくれたワインなんだけど、瓶が可愛くて捨てるのもったいないし生けちゃった」



心の中は大荒れ過ぎて
気の利いた言葉も出てこなかった





「生けちゃったとか一生言わないセリフno.1だね！」



クソつまんねー事言っちゃった


「あれ？マウント取っちゃった？笑」


トゲのある一言を投げかけられる
さすがに今のはムカついたわ


棒立ちの俺を横目に舘さんは上機嫌で準備を始める

さっきの言葉は聞こえなかった事にしよう



「ある材料でちゃちゃっと作るわ、見てて？」




手際よく野菜を切る舘さん

「切り方から教えてくれないかなぁ…」

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