深淵の中で手を差し伸べて。:h【リヴァイ】 (ページ6)

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「てめぇ…、俺に仕事を擦り付ける気か。」

「んん～？なにぃ？……ヒック。」

「おい、ふざけんな、てめぇの仕事はてめぇで片付けろ。」

「えええええ……ヒック…もう、飲んじゃった……ヒック…大瓶……。」

「…わざとか。」

「へへうへへへへ…ぇヒック…」

どうやらハンジさんは大量に押し付けられる書類作業から逃れるため急いで大瓶を飲んだらしい。リヴァイ兵士長はこれ以上にないほど切れている。目元を引き攣らせ、今にもハンジさんを蹴り倒してしまいそうだ。

フラフラとよろけるハンジさんを慌てて支えるとリヴァイ兵士長がハンジさんの首根っこを掴みあげる。

「いい度胸じゃねぇか。ついさっき口に入れた酒を思う存分吐かせてやる。」

「えぇ？どうやっ……グフォ……！！おぇ……ッオエエエエエエエエエエエッ！！！」

リヴァイ兵士長の蹴りが鳩尾にくい込みハンジさんが口元を抑えるが我慢出来なかったのか、物凄い勢いで胃の中のものを全て吐き出す。慌ててハンジさんから身を離すとハンジさんは呆気なく地面に倒れ、自分の吐いた嘔吐の上で、

「ね、寝ちゃった……。」

「このまま寝かせておけばいい。」

「でも、お仕事の方が残ってるんじゃ、」

「それに関しては明日、こいつがゲロまみれでエルヴィンに説教を食らうだけだ。あいつの説教だけは食らいたくねぇ、あいつに説教されるなんざ笑えねぇからな。」

「……エルヴィン団長って、ハンジさんとリヴァイ兵士長のお父さんみたいです。」

「あ？ふざけるな、それだけはやめろ。」

「ふふ、すみません。でも、本当にハンジさんこのままここで寝かせておくんですか？」

「どう考えてもこいつに問題があるだろ。」

確かに、と同感してしまったジゼルにリヴァイは鼻で笑う。お前も酷い奴だな、と面白そうに笑うリヴァイにジゼルは頬を膨らませた。