深淵の中で手を差し伸べて。:h【リヴァイ】 (ページ5)

今日:3 hit、昨日:35 hit、合計:21,118 hit

5-50 ページ5

「え！？違う違う！！！ジゼルの匂いは上品なフローラルの香りッ！！なんなら私がずっと嗅いでいたいくらい。」

「……ハンジさんの変態…。」

「ははっ、ドン引きしてるジゼルも可愛いねぇ。で、話を戻すとリヴァイはジゼルの金髪が大好きなんだ、もう大好きで大好きで堪らないんだよ。」

「……髪、ですか？あたしの？」

「そうそうそうそう、ジゼルの髪ってちょー綺麗じゃん？だけど今はほら、忙しかったからボサボサでしょ？それが気な食わないんだと思う。リヴァイってばほんとーに言葉足らずで何言われてもわかんないよねぇ。わかる、分かるよその気持ち。リヴァイって表情も変わらないしいつも不機嫌だしさぁ……、おまけに暴力ばっかりだし、……ヒック……。」

……微妙なお酒の匂いがした。ハンジさんから。

え、今この短時間で飲んでしまったのだろうか。そんなわけないと思いつつも目の前のハンジさんはフラフラと揺れながらケラケラと腹を抱えて笑う。

「ハンジさん、……お酒飲みました？」

「んぅ～？ヒック、……こんな時に…飲めるわけないでひょぉ？もう、ジゼルってば何言ってん…の？ヒック！っていうかぁ、…リヴァイもジゼルの髪まで……ヒック…独占しなくてもいいのにねぇ……ヒック…独占欲の強い男って…余裕がないの丸分かりっていうかぁ…、髪を独占したいってぇ、聞いた事ないよねぇ～…………ヒック。」

「……」

どうしよう。これがかなり飲んでいる。泥酔と言ってもおかしくはないほどに。どこに瓶なんてあったのだろう。今からエルヴィン団長と書類作業をしなくてはならない筈なのに、大丈夫なんだろうか。

フラフラとよろけまくりのハンジさんを見て、思わず肩を支える。…お酒の匂いが、凄い。

「でもォ～……これもリヴァイの愛情表現…なんだよ、ヒック……リヴァイも…案外可愛いところあるよねぇ……いつもは……ヒック…エルヴィンの命令しか聞かない……問題児なのに……ヒック…」

「ッ、ハンジさん！しっかりしてくださ、」

「てめぇ、おいクソ眼鏡、何好き勝手ほざいてやがる。…どうやらお前は本物の馬鹿だな。」

「…あ、やぁ～、リヴァイだ……ヒック…ほらぁここに…リヴァイのだぁいすきな…ジゼルがいるよぉ～…………。」

リヴァイ兵士長の視線が呆れたように細められる。こいつ酔ってるのか、とあたしに視線を向けてくるリヴァイ兵士長に苦笑いを返すと次の瞬間、リヴァイ兵士長はこめかみに青筋を浮かべた。