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「そういやお前…ちょっと髪、伸びすぎやしねぇか？」
兵舎の廊下を歩いていた時に声を掛けられる。頭で考えるよりも先に声の人物へと視線を向ければ藍色の大きな目を少しだけ細めジゼルの髪に触れたエレンがいた。
その横には安定の2人もいて。ミカサとアルミンだ。仲良しだなぁ、なんて少しだけ羨ましがるジゼルだったが髪に視線を落とす。
「やっぱそうかなぁ…。」
「ジゼルは立体機動装置を使って訓練しねぇしなんの支障もないだろうけど、いくらなんでも不便じゃねぇのかこの長さは。」
「うーん、そうだよね。髪の毛を乾かしたりするのにも時間が掛かるし、確かに今思い返してみれば不便かもしれない。」
「だろ？切っちゃえばよくねぇ？ってまぁ俺もミカサもアルミンも散髪は出来ねぇんだけどな…。」
「うーん、髪の毛を切るにしろあたしはそう簡単に街には出られないし、それに髪の毛を切りに行く為だけに誰かについてきてもらうのも悪い気がして。」
確かに、とアルミンは頷く。ジゼルは狙われているのだ。実際に二回、攫われそうになったことがある。全てはリヴァイ兵長のおかげで未遂に終わったが。
ジゼルの金髪は美しい、美しいけれど長さはもう既に腰下。体制を変えたりなどすれば太腿くらいまで長さがあるのかもしれない。
訓練に支障はないだろうけど生活に支障が来りそうだ。困ったようにして首を傾げながら髪の毛をクルクルと弄るジゼルは自身の髪に愛着もなさそうだ。
「無理に切らなくていい。ジゼルの紙は綺麗だ…ので、別に私は切らなくていいと思う。」
「でもよぉ、ミカサ。これは長過ぎやしねぇか？確かにジゼルの髪は綺麗だけど兵士にとって貴重な睡眠時間を削られてまで髪を乾かしたり、って…。」
「男の人と女の人の決定的な違いだよね。幼い頃からその長さでそれが習慣になっているんだとしたらエレンが思うようにそこまで深刻な事じゃないと思うよ。」
「んー…、そんなものなのか？俺にはよくわからねぇけど…、女って大変なんだな…。」
納得いかなさそうにアルミンに言葉をかえし、顔を顰めたエレンにジゼルは小さく微笑んだ。特別髪に愛着はない。切ってしまってもまた暫くすれば伸びる。だからジゼルからしてみれば髪を切っても切らなくてもどっちでもいいのだが、
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作者名：るかこ。 | 作成日時：2020年4月30日 13時
