1話 ページ1
「本日をもって、この会社は倒産します」
「……は?」
社会人2年目、突然食いぶちが消えました。
突然なんはラブ・ストーリーだけにしてくれへん?
途方に暮れた様子でみんなが会社から帰っていく。今日も今日とて12時でのあがり。
……明日からなに食べていけばええんや。どうやって稼ご。
1円も無駄にできへん状況やのに缶コーヒー買ってまうわ。変なの。
誰もいない深夜の公園の端のベンチに座って長い溜息を吐いた。
ホンマに、どうしよっかな明日から…。
そこらへんの段ボールで寝てはるおっさんに食べ物どうしてんのか聞いてみようかな…マジでリスペクトっす。
どうしよっかなぁ…なんて考えていると、ふと浮かんだ男の顔。
そーいやあいつ今なにしてんねんやろ。
ポケットに入っとるケータイを取り出して、下の方の連絡先を見る。
“宮侑”の文字の下にあるんはさっき思いついた男の名前。
「……あ、宮?起きとったん?良かったわ」
『なんや久しぶりやな、なんかあったん?』
「いやー、はは」
成人式以来やなぁ、と今の気分よりかは少し高めの声で話す。
そーでもしないと今の気分ホンマに沈んでるからな。深海レベル。
なんかあったんか?ともう一度訊いてきた前よりも少し低い声に黙り込む。
……ホンマに頼ってもええんやろか。
正直こいつとアタシには同じ高校で、同じ部活やったっていう関係しかないし、それ以上に進めるつもりもなかった。
「…今から家行ってええ?」
『は?おい何言って…』
相手が言い終わる前に通話終了ボタンを押す。
確かあいつの家こっち側やった。
前自分の店開いたって言っとったし、きっと彼女もおらん。
忙しいって話しとったん聞こえとったし。
ピンポーン…
“おにぎり宮”と書かれた看板を掲げている店のインターホンを鳴らす。
暫くしてガチャっと開いた扉から覗くのはかなりの長身のイケメン。
ホンマに顔ええな…たまに見たら息止まるわ。
「ホンマに来てんな…まあええわ、上がりや」
「ありがとう」
遠慮せんと上がらせてもらう。
なんかあったんか、と
…どうしよ、話そっかなぁ…。
そうや、まずあれから話して…それからー…。
それでも口から出てきたんは率直な言いたかったこと。
「ホンマにお願いします!養ってください!!」
「はぁ?何言うとんの」
「家事はします」
「おっしゃ養ったるわ」
この度宮治の家の居候になりました。
───────
夢主ちゃん侑とはあんまり話さないので、宮と言うと治のことです。
1097人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
松々先輩(プロフ) - のんさん» ありがとうございます!!最近私生活も落ち着いてきたので、今日更新予定です! (8月5日 17時) (レス) id: 480ed93775 (このIDを非表示/違反報告)
のん - 久しぶりにこの神作品開いたけどやっぱり神作!!主様のペースでゆっくり更新続けて欲しい!!まぢ応援してます!無理は禁物!! (7月31日 11時) (レス) @page45 id: 7e78e362e0 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - 雷さん» 大丈夫です。ありがとうございます頑張ります! (2022年8月12日 10時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
雷 - 松々先輩『ありがとうございます頑張ります』が癖になってますけど大丈夫ですか? (2022年8月12日 10時) (レス) @page5 id: 1c759860fa (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - のんさん» ありがとうございます!頑張ります (2022年8月7日 0時) (レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ