１４６話 ページ6
津田「そういえば、この前利光の喧嘩に居合わせたんだっけ？」
「え、なんで知ってるの」
放課後の教室で座っていると、津田が前の席に座ってトントン、と私の机を指先で突いた。
何事かと思って損したわ。
真剣な顔してるんだから。
でもこう見ると津田も整った顔してるのよね。
言動が全てを台無しにしてるけども。
「で、津田は何を話しに来たわけ？まさかあんたにも秘密とやらがあるの？」
津田「…んー、俺に秘密なんてねーよ」
「……？」
少し間が空いたけど…。
津田の顔を見て、裏のありそうな笑顔をするその顔に魅入った。
津田がこんな顔する時が来るなんて…。
それに少し感動さえ覚えるが、まぁ人間儚げな表情をすることくらいあるものだ。
…美原はないとして。
「……まぁ、ないなら良いんだけど」
そう言ってまた手元に目を戻すと、ギュッとその手を握られる。
えっと……こう言うことされると色々困るんだけど…。
何？と言うように顔を上げると、まさかの何？と訊かれてしまう。
いや、何ってなんだよ。
「急に握らないでよ」
津田「俺、Aの手綺麗だから好きなんだよね」
そう言いながら指の先をスッと撫で、爪を触り、自分の指と私の指を絡める。
その仕草がこそばゆくて、手を引っ込めようとする。
それなのに津田は笑顔のまま手を引き戻す。
え、何、何してんのこれ？
困惑しか浮かばないが、この状況を打開するのが先だ。誰かに見られてみろ、死ぬ。
「つ、津田、放して…」
津田「ん、なんで？」
「なんでじゃないよ…」
良いじゃん、と手首を握った津田は、そのまま私に近づいてくる。
待ってよ、おかしいっておかしいおかしい！
なんでこんな話になった！？
なんで今私、津田に手握られてるの？
「ひっ…あ、待って、こしょば…」
津田「ふふ…」
何笑ってんだこいつ！
ギュッと手をまた握られ、その手がスルリと爪を撫でる。
それがゾワリと腰に響いた。
「ッ……や、津田…！」
小田「文矢〜、そろそろ帰るy……」
ガラッと扉が開いて、手を握ったまま時間が止まる。
シン…と静まり返る教室に、津田と小田くんが目を合わせ、私はどこを見たら良いのかわからずに虚空を見つめると言う状態。
あぁ……見られてしまった…ロクでもない現場を…。
小田「コラ、おい……何してんだ、おい」
津田「違う違う違う違う！！！誤解、誤解だって利光！落ち着け！」
「津田…！酷いよ、こんなところであんなこと…」
津田「おいこらぁああぁああああぁあ！！！！！」
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松々先輩(プロフ) - らっぴょこさんさん» ありがとうございます〜！！一癖も二癖もあるウチの子たちをそんなに褒めてくださって…画力と文才！？あー！ありがとうございます〜！！これからも頑張ります！！ (2020年8月2日 15時) (
レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
らっぴょこさん(プロフ) - とっても面白いです！皆ユニークで大好きです！ところで、素晴らしい画力と文才があるんですね！羨ましいです､､、これからも無理の無いように頑張って下さい！応援してます！ (2020年8月1日 20時) (レス) id: c590781f3e (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - びびちゃんさん» ありがとうございます！！そう言っていただけると嬉しいです！これからも更新がんばります！ (2020年2月1日 19時) (レス) id: 884552bd5f (このIDを非表示/違反報告)
びびちゃん - 面白いです！更新頑張ってください。 (2020年2月1日 16時) (レス) id: 122cd8c013 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - しつさん» ありがとうございます！！綾くん良いですよね！ (2020年1月4日 19時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
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