いや、私女子なんだけど。［４］

１８５話 ページ45

「あ！おーい、こっちこっち」
海夜「見えてるよ」


久しぶりに会うから楽しみにしてたの、と言うと、こいつほんと可愛いよな、と溜息混じりに言う初。
可愛いってそう言う感じで言うものだっけか？

でもほんとに楽しみにしてたんだから！
特にかいちゃんに会うのを！


「それで、どこ行くの？」
岩本「俺は水族館がいい」
海夜「俺は別に、どこでも」
星夜「あー、そうだな。水族館いくか」


近くにあるみたいだし、と言ってスマホを確認するせいちゃんは本当にかっこいい。
見惚れてしまうくらいかっこいい。

女の子だってチラチラ振り返ってるし、やっぱりかっこいいんだろう。


それなのに私がかっこ悪、と思うのは多分日頃の行いのせいなんだろう。


岩本「俺Aと二人で回りたいんだけど！」
「ぇー…でもそんなこと言ったって、後の二人はどうするのよ」
星夜「そうだな…交代ってどう？1時間ごとにAと一緒にいる人を交代して、残り二人は男二人で回るって言う」


つまり私は常に誰かと一緒にいて、それは交代ってこと？別に私はいいけど。
ちら、と横の初を見ると、俺はそれでいいぞ！と目を輝かせていた。


海夜「…順番はどうするの」
「あー…ジャンケン？」
星夜「まぁ、そうなるよね」


そして良い年こいてジャンケンで順番を決めた3人。
順番は、かいちゃん、初、せいちゃんになった。


海夜「…俺になったけど、良かった？」
「勿論！かいちゃんとはいっぱい話すことあるよ！」
海夜「いいよなんでも話して。Aの話楽しいし」


かいちゃんは聞き上手だ。
しっかり相打ちをして欲しい時とかにはしっかり入れてくれるし、話もしっかり聞いてくれてる。

流石はあのお喋りな兄を持った弟だと思う。


海夜「あー…どこ行きたい？」
「うーん、そうだなぁ…かいちゃんは？」
海夜「俺はいいの。Aが行きたいところに行きたいから」


まじかよかいちゃん。言ってることえげつなくイケメンだよ。
キューン、としていると、ん？と笑顔で顔を覗かれる。

あ！かいちゃんの笑顔ってすごくレアなんだから！


「ふふ、じゃあゆっくり回ってみようか！熱帯魚とか」
海夜「ペンギンのショーじゃなくてもいいの？ペンギン好きだよね、A」
「うん、いいの。かいちゃん賑やかなところあんまり得意じゃないでしょ？」


気遣いできる女はモテるよ、と言ったかいちゃんは私の手を取って熱帯魚コーナーに足を向けた。
自然と女の子をエスコートできる人もモテるよね。


かいちゃん彼女とかいないのかな。

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