いや、私女子なんだけど。［４］

１８１話 ページ41

青山「テストたりぃなぁ…」
野口「それ生徒の台詞じゃない？」
青山「あのなぁ、センセーだってやること多いんだよ。テスト作るのすっげぇだるいんだからな…あ、良いこと思いついたお前が作れよ、野口」
野口「何が良いんだよそれ」


先生らしいこと言ってくれよ、と呆れる佐田は今度世界史教えて、と私の方を見て微笑む。
今の笑顔町中でやってみろ、レッドカードだからな。

テスト一週間前に入った私たちは、部活も停止期間になりいろいろ暇だった。いや、勉強しろって話なんだけどさ。

「それで、今回のテスト範囲どこだっけ？」
佐田「俺それすら知らねえんだわ」
「あんたテスト受ける気あんのか」


だから教えてくれっていってんじゃん、と唇を尖らせる佐田はいつもの強面ではなく、少しだけ幼く見えた。
可愛くねえけどな。

そっかぁ、テスト期間か…イヤー、マジでいやだな。こんなにいやなのはこの後の夏休み生活がかかってるからかな。そうだ、それだ。
今回のテストの結果でいかにこの後夏休みを満喫できるかがかかっている。

青山くんも補修をしなくちゃいけないけど面倒くさい、でもかの極才学園の名前に恥じないテストを作らなければいけない、それを天秤にかけているのだ。
あー、面倒。

私だってできればテストなんて受けたくないし名前も聞きたくはないよね。テストが好きな期間は小学校で終わりました。私も公立の中学校行ってたら少しはテストも楽しかったのかもしれないけど。
今はもう全然楽しくない。地獄。生き地獄。

柏木と大門にお昼に誘われたので、テストがいかに面倒で消えてほしいのかを熱弁しながら廊下を歩いている。


「まーいっか…これが終われば夏休みだし」
柏木「そうだよ！プールもキャンプも行こうね。俺と」
大門「はぁ？俺と行くんだけど…」
「私別に二人と約束した覚えないんだけど…」


楽しいってきっと！！と笑顔の柏木の後ろからすごいどす黒いオーラを感じるんだけど、誰のものなのか…。
触れちゃいけない気がする。

でも大門が何してんの、とオーラの持ち主に声をかけてしまった。


東「お前らはいいよな！テストが終われば充実した夏休みが来るって保証があって！！」
「何あらぶってるの。こいつ」
柏木「知らない…」
大門「触れちゃいけなかったような気がする」


うん、大門、それ正解。これ蓋開けちゃだめだったやつだわ。
わなわなと震える東の横で特大のカツ丼を食べながら、なんとかなるってー、と笑っている津田の成績は東より悪いものだった。
お前はもっと危機感持て。

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