145話 ページ5
「小田くん大丈夫!」
小田「え?」
私は男子高校生の局部を蹴り上げ、悶えている隙にまたそれを踏みつけた。
あ、潰しはしないよ?流石に可哀想だし。
終わったよ!とにこやかに小田くんに言うと、自分の股間を抑えた小田くんは青い顔をして、うん、と頷いた。
小田「あ、あの、Aちゃん」
「それより小田くん!早く手当てしなきゃ!」
小田「え?」
小田くんの手を持って、離れた場所のベンチに座る。
良かった、いつもからバンドエイド持ち歩いてて。
ティッシュを水で濡らして、小田くんの透き通るような肌に滲む血を拭く。
あー、痛そう。
「小田くん、染みるかもだけどごめんね。ちょっとだけ我慢して」
小田「…あ、あの、Aちゃん」
「なーにー」
小田「…あの……僕のこと、怖くなった?」
ギュッと私の手を掴んで、目を逸らし、そう言う小田くん。
えーっと…つまり、小田くんはさっきの自分を見て、自分のことを怖くなったのか聞いてるの?
私は少し考えて、ちょっとだけね、と言った。
確かにあの顔は怖かった。
すると、小田くんは傷ついた顔をして、そうだよね、と小さく呟く。
「でも、私のためにありがとね」
小田「…喧嘩する男、いや?」
「……自分のためにしてくれたことで、嫌なことなんてないよ」
はいできた、とバンドエイドを貼った私は、ニコッと小田くんに笑いかける。
すると、小田くんはギュッとした顔をした。
その顔がちょっとさっきの感じに似ている、と直感で思う。
と言うか、いつものふわふわした感じじゃなくて、『男』の顔になったと言うか…。
それが少し怖かったのかな?
小田「……あのさ、Aちゃん…」
「?」
小田「抱きしめて良い?」
「えっ?」
真剣な顔で言ってるもんだから、驚いて素っ頓狂な声を出してしまった。
すると、それを合図にしたかのように腕を引かれる。
そして、そのまま意外と広い胸に顔を押し付け、力強い腕に抱かれる。
うぅん?
「お、小田くん…?」
小田「よかった〜……僕のこと嫌いになっちゃったかと思った…」
「はは、変なこと言うな〜…小田くんのこと嫌いになんてならないよ」
そしてしばらくして小田くんの腕から解放された私は、そのベンチに座って小田くんの話を聞くことになった。
小田くんの話には驚かされるばかりだった。
小田くんは中学時代、グレて夜ヤンキーに喧嘩を売られては買うという生活を繰り返していたらしい。その時のあだ名が『下北の小田』。
さっきの人たちはその時の悪友だとか。
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松々先輩(プロフ) - らっぴょこさんさん» ありがとうございます〜!!一癖も二癖もあるウチの子たちをそんなに褒めてくださって…画力と文才!?あー!ありがとうございます〜!!これからも頑張ります!! (2020年8月2日 15時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
らっぴょこさん(プロフ) - とっても面白いです!皆ユニークで大好きです!ところで、素晴らしい画力と文才があるんですね!羨ましいです、、、これからも無理の無いように頑張って下さい!応援してます! (2020年8月1日 20時) (レス) id: c590781f3e (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - びびちゃんさん» ありがとうございます!!そう言っていただけると嬉しいです!これからも更新がんばります! (2020年2月1日 19時) (レス) id: 884552bd5f (このIDを非表示/違反報告)
びびちゃん - 面白いです!更新頑張ってください。 (2020年2月1日 16時) (レス) id: 122cd8c013 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - しつさん» ありがとうございます!!綾くん良いですよね! (2020年1月4日 19時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
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