いや、私女子なんだけど。［４］

１７３話 ページ33

あれからLINEの友達欄が百人くらい増えて色々親戚達に心配されそうだな、と思った。
そして今日はあれから2日後。

ってか暑いんだよふざけんな。クーラー効いてないでしょこれ。


藤井「A！！」
「んあ？」
藤井「プール行こうぜ！」

……プール？
なんで私？と聞くと、藤井は華が欲しくて、と眉を下げる。その顔ずるいぞ、佐田に似てるから。


「…いーよ、誰来るの？」
藤井「俺と、雄二。あとこの前紹介した二人」
「あぁ、浅川くんと純くん」
藤井「Aに会えたら二人も喜ぶと思う！」


だからプール行こうぜー、と私の腕を引っ張る藤井は百歩譲っても高校生には見えない。良いとこ中学生。

でもプール、良いかもしれない。

私は藤井に二つ返事でOKした。
だとしたら水着があるんだけど、去年の……はもう無理だろうし……。

……水着買わないと。

ってことは必然的に(何故か)センスの良いお兄ちゃんと爽汰に選んでもらうことになる。
お兄ちゃんにそうLINEすると、凄く早い返信。

お兄ちゃんの返信は遅いって定評があるんだけど……え、もしかしてずっと携帯見てるの？怖い怖い。
勿論返信はOK。


「私も楽しみだって言っといて！」
藤井「…お前さ、そういうとこだぞ」
佐田「？何話してんだ？」
藤井「プールの話だよ」

あぁー、と頷いた佐田は行くのか？と私を見る。
佐田を見上げて頷くと嬉しそうな顔をした。

佐田「そうか…」

……その顔はちょっと…イケメンすぎるんじゃないですかねー。

ドS王子で名を馳せてんだからその通りの顔してて欲しいよね。今のだったらただの爽やか王子じゃねーか。

佐田に頭の中でそうやって文句を言いながら授業を受けていたからか、その日の物理の授業は一切頭に入って来なかった。
いや、本当に……どうしてくれんだこの野郎。テスト前はお世話になるぜ。

そしてお昼。


「ハンバーグだ」
美原「そう言えば弁当は従兄弟が作ってんだって？」
「そうなの。もう美味しくて美味しくて！毎日食べたいくらい」


俺はお前のオムライスも毎日食べたいけど、と言ってハンバーガーに食らいついた。
いや、それオムライスだからでしょ。

今度初にオムライス作ってもらおうかな。
絶対美味しいよね決まってる。


佐田「なぁ知ってるか？蜂のこと」
「ハチ？」
佐田「ミツバチってスズメバチを殺すとき、集団で団子になって殺すらしいんだけど」
美原「美味しいかな？」
佐田「一番最初に犠牲になる奴の匂いを嗅いで攻撃するらしい。犠牲になる奴は年長者だって。かっけぇよな」


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