いや、私女子なんだけど。［４］

１７２話 ページ32

東「俺昔からゲーセン通ってるから、色んなゲームできるぞ」
「えー、すごーい……ん？」


あっ！！あれは！
マルマンちゃんの限定グッズ！？ゲーセンのUFOキャッチャーでしか手に入らない伝説の！

欲しい！

ずっとそれを見つめていると、東はあれ欲しいの？とマルマンちゃんを指す。


「欲しいけど…私じゃ取れそうにないわ」
佐田「UFOキャッチャー苦手だしな」
藤井「俺も苦手だなぁ…」
東「俺取れるよ」


……え！？あの超鬼畜みたいな置き方されてるやつが！？
お前ら好きに遊んでこいよ、とフリーパスを渡した東。

ヤバいってあれやばい。欲しい。

東に腕を引かれてUFOキャッチャーの前まで行く。
ねぇ、これほんとに取れるの？


「大丈夫なの？いいよ？私諦めても…」
東「大丈夫大丈夫」


任せろ、と笑った東の顔がいつもの3割増でかっこよく見えた。
幻覚でも見たか？


東「お前の1分、俺に頂戴」
「取ってくれるんだったら1分と言わず何時間でもあげるわよ」
東「え、何それプロポーズ？」
「なんで？」


話しながらも手を動かし続ける東。
マジやべぇよお前、それ…マジか！

ぼと、と落ちるマルマンちゃん。

見たか！と爽やかな輝かしい笑みを向けてきた東は、私の顔を覗き込む。
マジかっこよかったんだけど。


「東凄いよ！！凄い！ありがとう！」
東「ふふ、A可愛いな」
「かっ…わ、いく、ない……」


そんなナチュラルに可愛いとか言われたら、嫌でも反応してしまう。
顔が熱くなったのがわかった。

東は、意識した？とそのままの笑顔で聞いてくる。


「……す、こしだけ…」
東「ふっ…やっぱ可愛いなぁお前」
藤井「ちょ、聞いて！雄二がバスケのゲーム、ハイスコア出しやがった」
佐田「いや、バスケ精神に火が付いて…」


私バスケ苦手だからな……。
そう思っていると、俺もやってみよ、と言い出す東。

いや無理だってやめとけって。

恥かくだけだって、と止めたが、やってみる、と意気込んでいる。


東「じゃあAもやろーぜ」
「え……いいけど…私だって出来ないからね？」
佐田「手取り足取り教えてやろうか」
藤井「させねぇよ」


私からもさせねぇからな。
手取り足取り(意味深)ってやつでしょ、嫌だわ。

チェッ、と舌打ちする姿もサマになる佐田は生粋のイケメンらしい。


佐田「そうだ、お前ちゃんとクラスライン見ろよ」
「…え？クラスライン……私知らないけど」
東「佐田……女だからって仲間はずれはダメだぞ」
佐田「してねーよ」


入れとくわ、と言った佐田は早速スマホをいじり始めた。

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