169話 ページ29
え〜っと…どこだ、東との集合場所。
地図が読めない私は、かなり今途方に暮れている。
ここってこんなに入り組んだ道だったかな。
集合場所は、かなりオシャレな通り。イメージはイタリアの町。
そして、ここで一番大きな噴水の前で待ってる、とLINEが来たのだが、その噴水がわからない。
英語で標識書いてんじゃねえぞ。
わかんねえから!いや、わかるとこもあるけど!
方向感覚がわかっていない上、標識が英語なんて、私のメンタルをごっそり削るつもりだろうか。
東はここに慣れているらしい。全然迷いもしていない。
いっそのこと迎えに来てもらおうか、と考えたが、東に借りを作るのも気がひける。
グルグルと同じ場所を4回ほど回ったところだろうか、正直疲れてきて、自分の足元を見ながら歩いていると、ドンッと誰かにぶつかった。
「あ、ごめんなさい…!」
東「こちらこそ…って、A!こんなとこにいたのか」
全然方角違うから、と言った東は、私がこけないように腕を掴んだままだ。
いつまで掴んでるつもりだ。って言うか揉むんじゃねえ。
やらか、と問題発言をしようとした東を殴る。
これ以上言ったら帰らせるから。
東「あ、今日の服、可愛い。似合ってる」
顔を上げた東が、私の顔を見上げてそう言った。
私の今の格好は、ピンクの淡いワンピに、白いカーディガンを羽織っている。
適当に合わせてきただけだし、と言えば、じゃあ元がいいんだな、とサラッと言って行くぞ、と歩き出す。
急なイケメン発言は切実にやめていただきたい。
赤くなった顔を隠すように口の前に手を持って行く。
行くぞ、と笑った東の顔は、太陽に映えて光って見える。
これだからイケメンは…!
「カラオケ、どこにあるの?」
東「あー…調べたんだけどさ、ここら辺のカラオケ、改装中で。だから今日はAの好きなことする日、にしような」
ニ、と口角を上げる東。
それじゃ悪いなぁ…私が誘ったんだし。
じゃあ東と私の楽しめるところにしよっか、と言えば、それで良いの?と首を傾げる。
「私は、東が楽しんでくれると嬉しいし、私も楽しいよ?」
東「…お前のそれ、確信犯なの?それとも天然なの?」
「ふふ、どっちかなぁ…?」
性格悪ぃ、と苦笑いした東は、マップを開いて楽しめそうなところを探す。
すると、聞き覚えのある声がした。
……この声、って……。
「…佐田と、藤井……?」
前を歩くガタイのいい2人の顔は、かなり似ているとは言え違う2人。
気になるな。
東はそう呟いた。
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松々先輩(プロフ) - らっぴょこさんさん» ありがとうございます〜!!一癖も二癖もあるウチの子たちをそんなに褒めてくださって…画力と文才!?あー!ありがとうございます〜!!これからも頑張ります!! (2020年8月2日 15時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
らっぴょこさん(プロフ) - とっても面白いです!皆ユニークで大好きです!ところで、素晴らしい画力と文才があるんですね!羨ましいです、、、これからも無理の無いように頑張って下さい!応援してます! (2020年8月1日 20時) (レス) id: c590781f3e (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - びびちゃんさん» ありがとうございます!!そう言っていただけると嬉しいです!これからも更新がんばります! (2020年2月1日 19時) (レス) id: 884552bd5f (このIDを非表示/違反報告)
びびちゃん - 面白いです!更新頑張ってください。 (2020年2月1日 16時) (レス) id: 122cd8c013 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - しつさん» ありがとうございます!!綾くん良いですよね! (2020年1月4日 19時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
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