163話 ページ23
「いただきまーす」
ツヤツヤの白米にトロトロのカレールーを乗せたらそれはもう絶品だ。
口の中で広がる辛味を感じながら、スプーンを口に運んでいると、なあ、と聞き覚えのある声に話しかけられる。
久しぶりに聞いたな。
「何、郷田」
郷田「俺Aの、声だけで人がわかるところ好きだよ」
そう言って笑った郷田は私の横へ座る。
野口がムッとした顔してたけど大丈夫?今郷田、満員電車に押し込んで入ってくる人とか、少しの隙間の割り込んで座って来ようとする人みたいになってるよ?
最近話せてなかったから、と言った郷田。
やはり笑顔のレパートリーが豊富である。
笑顔と言えば宮〇賢治よね。
カポカポ笑ったって。危ない事してたんじゃないの。
そこから話は繋がって文豪だ。芥〇龍之介。ボンヤリとした不安が、自分で命を絶った原因らしいよ。やばいよね、文豪の考えてる事わかんねぇわ。
郷田「カレー美味しい?」
「?え、うん…美味しいよ……?」
郷田「食べさせてよ。あーん」
「!?」
やだよバカ!
間接キスとか死んでもゴメンだからね!
引き気味になった私を楽しそうに見る郷田。これは…遊んでるな!?
「遊ばないでよ!あげるわけないし!」
郷田「残念。じゃあまたね、A」
やっぱり郷田ってわからない。
何考えてるんだろう。
去っていく背中を見て溜息をつくと、お前相変わらずモテるなぁ〜、と面白そうに言う美原が。
とりあえず無視した。
美原「そういえば…帰りのバス、席隣だな」
「…そうね。どうかした?」
美原「ううん。寝るなよ、って」
「え?どうして?」
美原「……襲われてぇの?」
別に公開プレイもいいと思うけどさ、と言った美原の鳩尾に一発入れたことはわかっていただけるだろう。
痛いんだけど、と絞りだしたような声を出す美原。
当たり前だろ、当然の報いだと思う。
久しぶりに下ネタを言われたので、返しが鈍っていると思ったが、そうでもなかった。
美原「っていうか久しぶりのAの殴りすげぇ効くわ…」
野口「お前まじ大丈夫か…?内臓ヤってないか…?」
佐田「一回病院行った方がいいぞ」
「私はゴリラかなんかか?」
そう思ってるなら容赦なくもう一発行かせてもらうけど?
それでもいいなら勝手なことくっちゃべってろアホ。
カレーを食べ終わったのか、米について語っている小田くんは、津田に回収されていた。
小田くんが収拾つけられなくなる時が来るなんて、かなりびっくりしたけど人には譲れない何かがあるもんね。
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松々先輩(プロフ) - らっぴょこさんさん» ありがとうございます〜!!一癖も二癖もあるウチの子たちをそんなに褒めてくださって…画力と文才!?あー!ありがとうございます〜!!これからも頑張ります!! (2020年8月2日 15時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
らっぴょこさん(プロフ) - とっても面白いです!皆ユニークで大好きです!ところで、素晴らしい画力と文才があるんですね!羨ましいです、、、これからも無理の無いように頑張って下さい!応援してます! (2020年8月1日 20時) (レス) id: c590781f3e (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - びびちゃんさん» ありがとうございます!!そう言っていただけると嬉しいです!これからも更新がんばります! (2020年2月1日 19時) (レス) id: 884552bd5f (このIDを非表示/違反報告)
びびちゃん - 面白いです!更新頑張ってください。 (2020年2月1日 16時) (レス) id: 122cd8c013 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - しつさん» ありがとうございます!!綾くん良いですよね! (2020年1月4日 19時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
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