154話 ページ14
美原「…なぁ、A。今日ちょっと時間あるか?」
「?あるけど…どうしたの?深刻そうな顔して。似合わないわよ」
ん、と短く言った美原は、じゃあ放課後、と言って席に着いた。
そうして授業が始まる。
ね、寝てない…!?
小田「ねぇAちゃん、美原くん何かあったの?授業中居眠りしてないよ?」
「そうなのよ…それに真面目に聞いてるの」
佐田「不気味だな、あいつ」
よね、とコソコソと話し合っていると、日本史の授業は終わる。
そして帰る準備をしていると、グッと腕を引かれた。
あれっ?
美原「ほら、行くぞ」
「え。や、早くない?」
良いから、と不機嫌そうな美原は強く私の腕を引く。
待って痛いよ?
普段からは考えられない程の力だ。
いつもは、私に触れるときはまるで壊れ物を扱うみたいに触るのに。
強引だなぁ、とため息をついて、少し小走りで美原の横を歩く。
…あれ?美原の家、こっちじゃないよね?
帰路を歩いていない美原に不信感を抱く。
どこに行こうとしてるの…?
そう思いながらついていくと、そこは見慣れてしまった所。
夜と違って活気がない。
でも人はいるんだ…。
そう、そこは紅士さんや相田さん、山坂さんが働いているホストクラブがある繁華街。いわゆる夜の街。夜の蝶と呼ばれる美しいキャバ嬢様たちが出勤しているのを発見した。
すげぇあんな真っ赤な服着るんだ…。
「え、ちょ、何?」
美原「こっち」
「!?ちょっ、待っ…」
ここホテル!!ホテルだから!
ラブホだから!ねぇ!?ちょっと美原くーん!?
美原の掴む手から腕を引き抜こうとするけど、呆気なく体を引き寄せられる。
ちょー!!これ以上行ったらアウトだから!これ全年齢対象!
美原「入って」
「っ、や、美原ッ…」
雅治「あー、雅敏、無理やりは良くないよ〜」
「…………えっ?」
部屋に入ってすぐのベッドを見ると、そこにはピンクのムードがよく似合う、美原をちょっと大人にしたような顔をしたお兄さんが。
えーっと……まさか、ね。
部屋の薄暗い中で微笑んでいるけど、それでも顔が整っていることがうかがえる。
美原「兄貴。お前に会いたいから連れて来いって脅されて」
雅治「やだな〜、脅してはないよー。雅敏が嫌がったから、ちょっと言い聞かせただけ」
美原「それを脅してるって言うんだよ!!」
雅治「それよりごめんね、Aちゃん?こんなとこまで引っ張られて来られたんだよね?怖かったよね。一応、女の子の扱い方は教えてるんだけど」
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松々先輩(プロフ) - らっぴょこさんさん» ありがとうございます〜!!一癖も二癖もあるウチの子たちをそんなに褒めてくださって…画力と文才!?あー!ありがとうございます〜!!これからも頑張ります!! (2020年8月2日 15時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
らっぴょこさん(プロフ) - とっても面白いです!皆ユニークで大好きです!ところで、素晴らしい画力と文才があるんですね!羨ましいです、、、これからも無理の無いように頑張って下さい!応援してます! (2020年8月1日 20時) (レス) id: c590781f3e (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - びびちゃんさん» ありがとうございます!!そう言っていただけると嬉しいです!これからも更新がんばります! (2020年2月1日 19時) (レス) id: 884552bd5f (このIDを非表示/違反報告)
びびちゃん - 面白いです!更新頑張ってください。 (2020年2月1日 16時) (レス) id: 122cd8c013 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - しつさん» ありがとうございます!!綾くん良いですよね! (2020年1月4日 19時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
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