いや、私女子なんだけど。［４］

１５１話 ページ11

「ご、郷田…数学、教えてほしいなー、なんて…」
美原「なぁ、郷ちゃんズルくない？ちょっと数学が学年2位だからってさー」


うるさいな、あいつ。
自分もさっきまで郷田に聞いてたくせに。私はダメなのか。

いいよ、といつも通り笑顔の種類の多い郷田。わけて。


郷田「ここは考え方変えたらすぐ解けるよ。ここに公式いれてから解くの。それはこの公式が…」


やべー、超わかりやすい。

流石だねぇ、と言えば、俺と夜のお勉強もしようか♡なんて意味不明なことを言う。
丁重にお断りしておいたけど。


その後美原が、Aは俺と約束してるもんなー！と軽口を叩いていたので即死させておいた。


柏木「前から思ってたんだけどさ、Aってほんとに数学だけはダメだよね〜。なんで？」
「それがわかったら私今頃苦労してないのよね」


それもそうだね、とキラキラスマイルで言う柏木。
なんか腹立つけど事実だし言い返せない。

別にいいし、ちょっとくらい弱点かなんかないと人間じゃないし。
……大門って人間じゃないのね。


大門って末恐ろしいわ、どんな親から生まれたらあんなになれるの？


大門「…？俺の顔になんかついてる？」
「うん……イケメンが張り付いてる…」
大門「なにそれ口説いてるの？」


乗ってあげないことも無いけど、と言って、微笑んだ大門は髪を耳にかけた。
その仕草でフワッと色気が漂う。

それで柏木以外の部屋にいた人はやられてしまった。


ヤベーよ、あいつ…。


津田「あー……なんて言うか、うーん…大門はあれだな、爽やかな色気？っての？胸焼けしない色気があるな」
「分かる…アレなんだろうね、最早15歳じゃないよね」
小田「まだ6月だよ。大門くんの誕生日って、確か終戦記念日でしょ？」


夏に生まれし堕天使だから、と呟いた佐田は苦手教科をやりすぎてとうとう頭どうかしてしまったんじゃないか。
お前どうしたの？と野口まで心配している。

城間くんと神手？さっきから机に突っ伏したまま顔あげないね。


そして私もかなりの難しさに頭がパンクしそうだ。


大門「ほら、ちゃんとベンキョーしないと、俺に食べられちゃうよ」
「やります。佐田、物理教えて」
佐田「待って、休憩……」
「私の貞操より大事なのかそれは」


やります、と起き上がった佐田に物理を教えてもらう。
…なんだ、やってみたら簡単じゃん。


なんでこんな所で躓いてたんだろ、と言えば、そこお前寝てたし、と笑いながら言う佐田。


ちょっとその顔イケメンすぎて無理。

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