ー３４ー ページ37
逃げ出してしまった。
あの場にいるのが辛くなって、どこに行くアテもないのに。
遊園地のベンチに腰掛けて、販売機で買ったジュースの蓋を開ければ、目の前を着ぐるみが通り過ぎていった。
いいなぁ……あなたは元々、この世界の住人だもん。
私と、交換してくれたら…なんていやな考えが浮かんで、首を振って掻き消した。
あの人にだって家族がいる。突然知らない世界に飛ばされたら、私みたいに辛い思いをするかもしれない。
それなのに私、立場を交換できたら…なんて。
「はぁ……ダメだな、私…」
落ち着いたら帰らなきゃ。何事もなかったみたいに笑って、みんなを車に乗せて帰らなきゃ。
だって私以外運転できないし、きっと困ってる。
立ち上がって飲み終わったジュースの缶をゴミ箱へ入れに行くと、A！！と聴き慣れた声。でも、その人は大声を出すような人じゃ…。
顔を上げると、息も絶え絶えの一松が私の手を掴む。
「…ごめん、今から帰ろうと…」
「ぼ、僕のこと、好きって、ほんと？」
………あぁ、そっか、聞いてたしね。
私は薄く微笑んで、本当だよ、と死刑宣告する。
私にとっての、死刑宣告。
「だから、一松はもう私に関わっちゃダメ」
「…なんで、絶対嫌だ」
「嫌って……」
「俺のこと好きって言ってくれた人なんて、あんたが初めてで…言い逃げすんの？」
そう言われると黙ってしまう。
手を握られて、その力が痛くない程度に掴まれて。
それだけで高鳴ってしまう胸が疎ましい。
「離して…一松……」
「いやだ。はっきり言って、もう一回、僕のこと好きって」
こんなの…誘導尋問だよ。
「………好き、だよ。一松の、こと」
顔が熱い。
俯き気味になる私に、一松はジッと顔を見つめる。
そして、顔が近づいて…。
唇に、柔らかなものが当たった。
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松々先輩(プロフ) - 月花さん» ありがとうございます！！これからお話は急展開…できればいいな、と思います！頑張ります！！ (2020年10月5日 0時) (
レス) id: 884552bd5f (このIDを非表示/違反報告)
月花 - すっっごい面白いです！頑張ってください! (2020年10月4日 23時) (レス) id: 23cb55ce5b (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - Rain☆さん» ありがとうございます！！了解です！頑張りますね！ (2020年5月14日 22時) (レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
Rain☆ - 一松！！もう本当に尊いです！一番の推しです！更新頑張ってください！ (2020年5月14日 14時) (レス) id: 3af4d419c0 (このIDを非表示/違反報告)
なー。(プロフ) - ですねー、おそ松さんも3期期待です！ (2019年12月11日 18時) (レス) id: 13b122a5bb (このIDを非表示/違反報告)
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