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夏祭り当日、浴衣を着た私を見てみんなはここぞとばかりに褒めてくれた。
推しに褒められるとか、死ねる。


楽しそうなみんなの後ろを歩く。これでも大人ですから、わちゃわちゃと騒ぐことはない。

あくまで今日は保護者として来た。

あんまりハメ外しちゃうとあれだなー、と考えていると、横に静かに並ぶ一松。


「あれ?一松はあの輪に入らないの?」
「…別に」


静かにしたかっただけだし、と言った一松だけど、私の歩幅に合わせてくれてるんだよね。
そうなんだ、と言って笑うと、何笑ってんの、と眉を顰めた。

いやー、年相応に可愛いな、と思って。
勿論公式の推しも好きだけど、高校生となると話は別だ。


「アオハルって感じだね」
「ァォ…なんて?」


なんでもないよ、と言って前を見ると、五人がいない。


……………あれ?
どこに消えた!?


「あ、みんなバラバラだと思う。いっつもこうなるんだよね」
「あ、あぁ〜…へぇー…」


一緒に来る意味とは。

でもあの六つ子に統一性を求める方がおかしいか…。
じゃあ私たちも楽しもうか、というと、一松は少し考えてニヤリと笑った。



「デート、みたいだね」



………はぁ!?(怒)

何今のかっこいいんですけど!?
何デートってっ!!!!!


思考とは裏腹に、行動はキョドッてしまう。

え、だって、好きな人にデートとか言われた。


「じゃ、じゃあデートしよ、っか…」
「Aはどこ行きたいの」
「私はいいよ!一松も楽しむために来たんでしょ?」


一松の行きたいところは?と言いつつ私は祭りが大好きだ。
ヨーヨー釣りも、金魚すくいもしたい。たこせんも綿菓子も、焼きそばも食べたいし、花火も見たい。


すると、一松は私の顔を見る。


「…俺はAの行きたいところに行ければいいよ」
「……どこで覚えてくんの!?」


さっきから私の人生において類稀な少女漫画の出来事がたて続けに起こってるんだけど!!

こんなの三次元にいたときにも体験してなかった!!
慣れてない、慣れてないよ私!!


でも大人が高校生にやられっぱなしも、大人の余裕がないというか。


だから私は、少し一松をからかってみようと思う。


「じゃ、じゃあ…手、繋ごうよ」


そうよ、推しと手繋ぎたいねってオタ友と話してたじゃん!!
今その夢が叶うと思えばなんとも…。

チラ、と一松の顔を見ると、先ほどまでの余裕は何処へやら、夜でも分かるくらいに顔が赤かった。



いつもと少し違う感情が、この時芽生えてしまった。

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松々先輩(プロフ) - 月花さん» ありがとうございます!!これからお話は急展開…できればいいな、と思います!頑張ります!! (2020年10月5日 0時) (レス) id: 884552bd5f (このIDを非表示/違反報告)
月花 - すっっごい面白いです!頑張ってください! (2020年10月4日 23時) (レス) id: 23cb55ce5b (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - Rain☆さん» ありがとうございます!!了解です!頑張りますね! (2020年5月14日 22時) (レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
Rain☆ - 一松!!もう本当に尊いです!一番の推しです!更新頑張ってください! (2020年5月14日 14時) (レス) id: 3af4d419c0 (このIDを非表示/違反報告)
なー。(プロフ) - ですねー、おそ松さんも3期期待です! (2019年12月11日 18時) (レス) id: 13b122a5bb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:松々先輩 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2019年2月23日 23時

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