FKの甘い日常-K-

ふじがやの好きなとこ K3-Last- ページ4

「え？」




どきん、と胸が鳴り、

知らず、その胸を押さえる






「………」




もしそんなことふじがやの声で、言葉で言われたら…と

想像して苦しくなってしまう



そんなの…

嘘でもトラウマレベルだ






後で嘘だとわかったとしても、聞いた時のその衝撃は一生消えないだろうし、立ち直るまで1週間じゃきかないだろうなと思い、動けなくなってドアの前に立ち尽くしたままいると、ふじがやの声が聞こえてきた











「………できないよ、玉



嘘でもきたやまにそんなこと言えない



そんなこと言ったら、俺、一生後悔すると思う




きたやまを一瞬でも傷付けるなんて、自分で自分が許せなくなる」










「………！！」










「………すごいね、その愛情…………」





流石にほんの冗談で言っただろう玉も、驚いた様子が窺える


そしてさらに続く、玉の声







「知ってはいたけどさ…

がや、みつにベタ惚れだもんね」




「うん、すごく大事」







ふじがやの顔なんて、この後まともに見られるわけがない




そっとドアノブから手を外し、身を翻した

よほど動揺していたのか意味もなく来た方と逆の方に向かう




込み上げるこの涙が落ち着いた頃、何もなかったように楽屋に戻ろう











俺がそばに居ても居なくても、





いつも変わらず俺に信頼と愛をくれるふじがや









こんなところがいちばん、


俺は好きなのかもしれない







-ふじがやの好きなとこ-

end





(2023年4月6日)

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