FKの甘い日常-K-

2ひきのねこ K2 ページ14

後日、尋ねて行くと風呂上がりのふじがやが玄関に出迎えてくれた

久しぶりに無防備なふじがやは、オフなのになんでこんなに色っぽいんだろうとどきどきしてしまう



そのまま俺も風呂を借りることになったので、怪しまれずに実行するのにもってこいのシチュエーションに感謝する


身体を綺麗に洗って、ふじがやの好きな匂いを纏い、

俺が着るとすこぶる喜ぶ大ぶりなふわふわのパーカーを選んで、猫耳と猫しっぽを装着すると、

ドアの隙間から
リビングでくつろいでいるふじがやを後ろから見つめてタイミングを見計らう



よし、今だ！



「たいすけぇ」

どんっ、とふじがやの背中に飛びついた



「きたやま？」



「ハッピーハロウィン！」



何が何だかわからないと言った顔のふじがやが振り返る

俺の猫耳がくすぐったいようで自分のほっぺたに触れ、呆然としていたが、



「ちょ、ちょっときたやま！

それなに！！」


我に返ったふじがやに問われる




「………宮田がくれた」




理由とか何とか聞かないでほしい
俺はただ、お前とナチュラルに距離を詰めたいだけなんだから


いや、実際はナチュラルとは程遠い強行突破だけれど




「待って！よく見せて！！」



俺のお尻のねこしっぽを見つけて、言葉を失うふじがや

悪くない反応だ




「どんなに頼んでも家ではやってくれなかったのに
こんなの付けてくれるなんて大雪でも降るんじゃない？」


真っ赤な顔でぶつぶつと口の中で呟いているふじがやは、俺にその心の声が聞こえているとは思っていないらしい


「失礼なやつだな！

お前がいつも俺のことねこみたいって言うからがんばって付けてるのに」


言えばまじまじと俺を見つめて次の瞬間苦しいくらいに抱きしめられた


「きたやま！
もー、自分がめっちゃ可愛いって分かってるでしょ

こんなの可愛いしかないじゃん！！

俺をどうしたいんだよ」



両腕をホールドされるこの距離感が素直に嬉しい



久しぶりに味わう、ふじがやの感触にふわふわとした気分になるが、もう一つミッションがある


もぞもぞとふじがやの腕の中から腕だけ出して、お腹に隠して来たクロネコの耳を出すとすぽんとふじがやの頭に被せた

生で見るその姿は予想以上だった

「………っ……かわいいっ！！」

2ひきのねこ K3 -Last-→←2ひきのねこ K1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す