FKの甘い日常-K-

2ひきのねこ K1 ページ13

「番組で使ってた小道具、譲ってもらったんだけどきたやん何かに使う？」

ある日、2人で食事している時に宮っちが言った


「小道具？」

「もう使わないって言うからさ
配信のとかいろいろあるし、なんかに使えるんじゃないかと思って」


なんかでっかい紙袋ふたつも持ってるなあと思ってたら小道具だったのか


テーブル越しにそれを渡して来るので、受け取って中身を見る


「…何これ」


小道具って言うか、これは



「きたやんも付けてみてよ

ほら、かわいいー！」


「良いけど、これ、小道具って言うかどっちかで言うとコスプレ衣装ばっかじゃん」

「まあ、そうとも言うか

でも、いろいろあるよ
良いでしょ？これ
いっぱいあるから好きなの持って行って良いよ！」


「って言ってもなあ…」


「もうすぐハロウィンだよ
仮装とかパーティーとかに使えば良いんじゃない？」

「仮装………」

「とりあえずそんなに似合ってるんだから、それはきたやんのね！」

「……」

手に取ってしげしげと見る



ハロウィンか…





確かに、あいつ、好きかも知れないな…





「ありがと、みやっち
とりあえずこの二つ貰ってく」

どうぞどうぞ、好きなだけといつもの笑顔で気前よく宮田が言った







宮田に使い方を教えてもらい、持ち帰って来たコスプレグッズは、猫耳と猫しっぽ



良くできているなあと感心しながら試しに自分で付けてみると、動くたびに揺れるしっぽがふわふわしていて、うん、我ながら可愛いと言えなくもない…と思う



しかし



仕事ならいくらでもできるけど、プライベートとなると、冷静になればまあ恥ずい


　
以前クマの姿になった時に暴走したあいつをどうしても思い出す

こんなのまたあいつを煽るようなもんだよな


でも最近前よりも少し離れて仕事することが多くなっている俺たち

煽りたい気持ちが俺の中にあるのも、目をつぶれない事実だ




こんなの、本当は俺よりあいつの方が似合うんじゃない？

去年、なんかのバラエティ番組で、狐だかなんだかの耳付けさせられてたの、可愛かったんだよなあ



あ、そっか


これ、一緒に付けちゃうのどうかな？



「…うん」


いっしょなら怖くない


次に会う約束をしているのはちょうど数日後のハロウィン



あいつにも付けさせてちょっと気分盛り上げようか


「みやた、ありがと」


鏡を確認しながらのひとりごと


今年はこれ、存分に使わせてもらうわ

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