FKの甘い日常-K-

この気持ちは誰のせい K4 -Last- ページ12

そんな事を考えてた側から、ふじがやがそっと身体を離した



「今はこれでおしまい…

夜まで我慢して」



言われて少しがっかりするけど、ふじがやだっていろいろ我慢してくれてるに違いないんだから

名残惜しいけど仕方ない



それに、夜の約束をくれた


充分過ぎるよ、ふじがや


そんな聞き分けのいい言葉とは裏腹に、まだ離れたくない気持ちは自然行動に現れ、ふじがやの首に両腕を巻き付けた



「…まだ足りない？…

もう、止められなくなっちゃうから…」


「充分だけど…
お願いもうちょっとだけ」

「……」


言えば、黙ってもう一度抱きしめてくれた






瞬間、




がちゃがちゃとドアノブを捻る音



はっとドアの方を見たあと、顔を見合わせた



「あれー？鍵かかってるよ？」

「ふたりもどこか行っちゃったのかな？」


メンバーの声が聞こえて、慌てて身体を起こす



「…夜は離さないから」



すっかり男の顔になったふじがやの低音が耳元で響く

ふるっと身体を震わせた俺の顔を、覗き込むと、ちゅっと音を立ててキスが落とされた

















「え………二人ともいたの？？？」


「ん、おかえり」



ふじがやがドアを開けると、呆気にとられた表情のニカと千賀


ソファで雑誌を読むフリをしていた俺を見た二人は、ここで何が起こっていたのか瞬時に察したらしく、千賀は何も言わずに顔を赤くして、怖い物を知らないニカからは、


「信じらんない！
いちゃいちゃもほどほどにしてよね！」

「ば、ばか、そんなんしてねーわ」
反論したものの、

「その雑誌、さかさまだよ」

読んだフリをしていた雑誌が上下逆さまだった事を指摘されて、顔が真っ赤になるのが分かった

こんなの動揺していることが一目瞭然だろう


「仲良いことは喜ばしいことだけどさ」

楽屋から締め出すなんて、とまだぶつぶつ言っていたニカも、

俺が寝たふりを決め込むと、そのうち飽きたのか関心を示さなくなった



その後、ふじがやはまた寝そべっている俺の隣にやって来て座り、お腹の上に乗せていた雑誌の影になるように、メンバーから見えないようにそっと手を繋いで来た



いたずらがバレちゃったね、とでも言いたそうに、こっそり微笑むふじがやに、ひたひたと心が満たされて行く


弟たちの手前、何も言えなくて、きゅとその手を握り返し、

約束に思いを馳せながら、再び目を瞑った

















この気持ちは誰のせい

-end-

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