生徒会 ページ7
｢おや。Aちゃん、久しぶりだね？｣
生徒会室に入ると、天祥院会長が声を掛けてきた。
｢こんにちは、お久しぶりですね｣
｢最近見かけないから心配だったのだけれど…元気そうで何よりだね｣
と、笑顔で声をかけてくる。綺麗なんだけれど、この人の笑顔は少し怖い。私が春のドリフェスで紅月ではなくRa*bitsに投票したと知れた時も笑顔だったのだから。
いっそ蓮巳先輩みたいに顔に出てくれれば。
基本的には優しい先輩だし、嫌いな訳では無いと言うかみんな好きなんだけれど。
｢失礼します！｣
｢失礼します。｣
｢お、奴 隷3号〜！丁度いい所に！僕の書類を片付けろ！そうしたら褒めてやらないこともないぞ〜？｣
生徒会室の扉が開き、桃李くんと伏見先輩が賑やかに入ってくる。賑やかなのは桃李くんだけなのだが。
｢こら、坊っちゃま。女性に対して…。すみませんA様。クソガキが飛んだご無礼を…｣
申し訳なさそうにする伏見先輩。本当に出来た人だ。
…この間キレて生徒会室でチェーンソーを振り回したような所以外は。
｢伏見先輩、気にしないでください。はいはい、仰せのままに〜って言いたいところなんだけど、今から別の仕事があるので失礼しますね。書類持っていっても大丈夫ですか？｣
と尋ねると、奥で作業をしていた蓮巳先輩の声が聞こえた。
｢貴様、またか…。機密書類ということを忘れたのか。持ち出しは…｣
蓮巳先輩の始まるはずだった長い説教を遮るように、会長が生徒会長権力を行使した。
｢いいよ。許可しよう。｣
｢ありがとうございます！明日までには終わらせますね！｣
頭を下げて、生徒会室を後にする。
その後の生徒会室ではこんな会話が繰り広げられていたそうだ。
｢あの量を一日で終わらせるってどうやったら出来るんですかね…？｣
ふと、真緒がそれとなく疑問を発する。
｢さあ、僕にも分からないね。ただ、彼女が終わらせると言ったら本当に終わらせてくるのだから逸材だよね。｣
｢全く…度し難い。｣
｢敬人はAちゃんが心配だから持ち出しを止めたのかな？｣
｢そんな訳がないだろう。正しい判断をした迄だ。｣
それでも尚、微笑む皇帝様。
｢あれ、僕の書類も減ってる…？｣
机についた桃李が驚き声を上げる。
｢ああ、Aが少し持っていったぞ｣
｢なんということ…大変申し訳ないですね…｣
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作者名：ぽあぷるーじゅ。 | 作成日時：2018年2月12日 13時
