透明なラベンダー。 (ページ21)

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『え？』

深澤「このまま帰るのもなんだし、どこかで座って話そうぜ」

食事をしたらこのまま解散だと思っていたので、想定外だった。

でも、明日も休日だし、もう少しだけならと頷いた。

深澤「確か、近くに広い公園があったはず」

彼の言う通り、真っ直ぐ進んだ先に大きな公園があった。

花壇がライトアップされていて、とても綺麗だ。

この時間にも関わらず、人は多い。

よく見るとカップルばかりで、手を繋いで歩いていたり、ベンチに座って話している。

私たちも空いているベンチに腰掛ける。

深澤「仕事はどう？」

『おかげさまで、まだまだ覚えることがたくさんありますけど、楽しく仕事ができています(笑)』

深澤「わからなくて普通だから、いつでも聞いて」

『はい。いつも目黒くんには何度も何度も聞いちゃいます(笑)』

深澤「ふーん…」

『？』

深澤「本当に目黒とは何も無いの？」

『だから、同期だって言ってるじゃないですか。それ以上でもそれ以下でもないです』

深澤「ならよかった(笑)」

…この人は、どういうつもりでこういうことを言うんだろう。

しばらく話をしたあとで、そろそろ帰ろうかというときにパラパラと雨が降ってきた。

『あ、雨』

深澤「お、さすが雨女(笑)」

『今日は折りたたみ傘を持ってきました』

深澤「慣れてんなぁ(笑)」

立ち上がり、傘を差した。

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