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ｴｰｽ「ｹﾞﾎｯｺﾞﾎｯ...あー、死ぬかと思ったぜ。」
あの後、海に溺れたエースを抱えて再び岸に上がった
「あんた馬鹿なの？能力者の癖に自分から海に入るなんて。」
ｴｰｽ「あー、そっか。ﾊﾊﾊ...お前は能力者じゃないから海は平気だったのか。咄嗟に助けようとしちまった。」
エースの言葉に呆れるA
本当にこの男があの白ひげ海賊団の二番隊隊長を務める火拳のエースなのか
ｴｰｽ「迷惑かけた上に借りまで出来ちまったな。本当に船乗って行けよ。」
「...だから、私達海賊なのよ？私が貴方を殺すかもとか思わないの？」
ｴｰｽ「何言ってんだよ。今俺のこと助けてくれたじゃねぇか。お前はいい奴だろ？」
「！」
Aはエースの言葉に驚く
生きてきた中でAを夜兎だと知った人間の態度は多方決まっていた
恐れて逃げて行く者
殺そうとする者
そして利用しようと近づく者
ロー達の様に自分が信頼出来る人間は極僅かだった
ｴｰｽ「おい、どーした？」
出会って間もなく、こんなにも自分に敵意を見せない人間は珍しかった
素直なエースを見ていると警戒している自分が馬鹿らしく思えるくらいだった
「.........ここから東の方角にある島まで行くから、乗せて行って。」
ｴｰｽ「おう！任せとけ！」
信じてみても良いのでは、そんな気持ちがAにエースを受け入れさせた
━━ ━
「なぜあの島に？」
エースの船に乗りながら疑問に思っていた事を聞いてみる
ｴｰｽ「悪ぃがあの島にいた理由は言えねぇ。だがその前はアラバスタにいたんだ。数年ぶりに弟と再会できたよ。」
「弟？」
エースは嬉しそうに1枚の手配書をAに見せた
ｴｰｽ「麦わらのルフィ。こいつ俺の弟なんだ。」
「麦わら...最近噂に聞く海賊ね。」
ｴｰｽ「餓鬼の頃は俺の後ばっか付けてくる泣き虫な弟でよ。正直海賊としてやっていけるか心配だったんだ。...けどよ、再会して俺は安心したんだ。」
「？」
ｴｰｽ「あいつには頼りになる良い仲間がいたんだ。もう俺を追って来る泣き虫のルフィじゃなかった。」
アラバスタがある方角を眺めながら話すエースの横顔は酷く優しかったことをAは今でも覚えていた
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作者名：ゆんゆ | 作成日時：2016年10月3日 20時
