灰原ユウヤの弟…ではなく、妹は女好き系美少女なんです。[part3]【ダンボール戦機WARS】 (ページ24)

今日:15 hit、昨日:8 hit、合計:17,528 hit

《117》ページ24

ユノ「あーあ、A、もっと恥ずかしがるかと思ってたのに～。」

全然、残念がってる様に見えないよ、ユノ？

むしろ彼女は愉しんでいるようだった。最後まで笑みを崩さないまま、「またね！」と言って帰って行った。
彼女と入れ替わりに看護婦さんが部屋に入ってきた。

看護婦「先程の方は……？」

A「鹿島ユノっていう子です。」

看護婦「そうなんですか。……あ、そうそう灰原さん、明日でもう退院できるそうですよ。体もだいぶ痛みがひいたでしょう？」

目の前に幼さの残る笑顔を浮かべる看護婦さん。私は「はい。」と笑顔で返した。

看護婦「珍しいんです。大怪我が一日で治る人。灰原さんなんて大怪我のうえに貧血の重傷だったのに。」

____貧血？何で貧血まで……

考えている私をよそに、看護婦さんは「明日までに荷物はまとめておいて下さいね。」と言い残して病室を去って行った。

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

翌日の朝______

荷物は片付いた。大体はショルダーバックに入るような物ばかりで、さほど重たくはない。

看護婦「おめでとうございます。」

A「あ、ありがとうございます。」

看護婦「では、お気を付けて。」

彼女の言葉を背中越しに聞いて、私は神威大門統合学園を目指す。
久し振りの小道に清々しい空気。この坂を登るのも前よりかちょっぴり楽しくなった。
アンティーク調の建物と凝ったような時計。30分掛けてようやく到着した。
下駄箱で上履きに履き替えていると黒っぽい制服の子を見掛けた。その子は男子のようで、私を見ると睨んで去って行った。

あの子……伊丹キョウジ君だっけ？

彼はいつもキャンディーを口に含んでいるし、制服が黒地に赤が混じっているから忘れる筈がない。

.

.

.

.

.

??「あら、灰原さん。大丈夫なの？」

.

.

.

.

.

振り返るとすぐ近くに美都先生が立っていた。